【ガーデニング】小さな庭とベランダに似合う10のおすすめグラス類。ナチュラルな多年草の風情を楽しむ
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光武俊子
細い線形の葉を風に揺らし、夏~秋にフワフワの穂を掲げるグラス。ガーデニングでは古くからススキやパンパスグラスなどが親しまれてきました。最近はきれいな葉色やユニークな形の穂をもったグラスが登場! 注目してみましょう。
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【ガーデニング】晩夏に咲く青い花10選。晩秋まで庭やベランダを彩る1年を通してナチュラルな風情が楽しめる
グラスとは一般的に細長い葉をもつイネ科やカヤツリグサ科の植物をさします。風に揺れるさまが涼やかで、ふんわり広がる草姿がナチュラルな風情です。
多くは冬に地上部が枯れますが、春に繰り出す若葉が美しく、夏は涼やかで、秋には葉色が染まる草紅葉(くさもみじ)も楽しめて、一年中見どころの多い多年草。
近年はピンクやゴールドの穂、ブルーやブロンズなど多彩な葉色の種類が登場。装飾的な使い方ができるのでオーナメンタルグラスとも呼ばれます。
人気のナチュラリスティックガーデンの名わき役
下の写真は、世界的に有名なガーデンデザイナー、ピート・アウドルフさんのオランダの自宅庭。手前に古い農家を生かした自宅があり、奥のモダンなアトリエとの間をグラスの海が埋めていました(2012年6月撮影)
草原のようにワイルドでナチュラルなこのスタイルから、世界中を魅了するナチュラリスティックガーデンが誕生しています。ナチュラリスティックガーデンとは、花が終わったあとの花がらや枯れ姿まで、季節の変化を丸ごと楽しむ庭のこと。
そこでは宿根草の花が主役になり、グラスが名わき役といった趣です。グラスを生かすことで、花のボリュームがなくても味わいが生まれます。小さな庭やベランダの鉢植えでも、グラスの風情を楽しんでみましょう。
小さな庭やベランダで楽しみたいグラス10選
ブロンズ色の葉と穂が存在感を発揮【パープルファウンテングラス】
草丈:約80㎝
栽培環境によって紫色~ブロンズ(赤茶)になるペニセタム(チカラシバ)の園芸品種。シュッと長いブロンズリーフとやさしげな穂が魅力的で、グラス人気の火つけ役になりました。寒さに弱いため暖地以外は一年草扱いになります。
ため息が出るほど端正な葉の重ね【フウチソウ】
草丈:20~50㎝
日本自生の多年草。箱根付近に多く見られたことから、学名はハコネクロアと牧野富太郎が名づけました。密に生える線形の葉の重ねが端正で美しく、和洋どちらの庭にも似合います。黄色い縞斑の入る園芸品種がおもに流通。
ドライでも大人気の愛らしい穂【ラグラス】
草丈:20~60㎝
ウサギの尾と呼ばれる愛らしい穂はドライフラワーで人気です。地中海沿岸の草地や砂地に自生して、日本でも帰化している丈夫な多年草。こぼれダネでもよくふえます。4~6月に開花してその後長く花穂が残って楽しめます。
枯れてる?と思わせる葉色のインパクト【カレックス】
草丈:30~100㎝
カレックスの和名はスゲで、日本にも200種以上が分布。斑入りのシマカンスゲなどが観賞用として出回ります。なかでニュージーランド産のカレックス・ブキャナニーは、まるで枯れたような葉色で存在感たっぷりです。
コバンソウに似た穂が揺れてかわいい【ワイルドオーツ】
草丈:40~80㎝
日本では西洋コバンソウとも呼ぶ多年草で、原産地はアメリカ東部~メキシコです。扁平で小さな穂は風に揺れてかわいらしく、秋には茶色に染まります。ドライフラワーでも人気。放任してもよく育ちます。