【中野翠のCINEMAコラム】女性同士の団結に思わずウルッとなる『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』
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中野翠
ユニークな視点と粋な文章でまとめる名コラムニスト・中野翠さんが、おすすめ映画について語ります。この映画は、権力と闘う労働組合の女性闘士を描いたもの。主演は今年70歳になる映画界の至宝、イザベル・ユペールです。
珍しく「硬派」の女性映画を紹介したい。長い間、フランス映画界で一、二を争う活躍をして来たイザベル・ユペール(今年70歳!)の最新作『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』は、ひとりの中年女性が会社の労働組合の代表として、従業員(5万人!)の雇用を守るため、決死の覚悟で権力と闘うという話――。
イザベル・ユペール演じる中年女性モーリーンは会社の労働組合の代表。ハンガリーの原子力発電所の女性組合員たちの要望を聞く旅を終えてパリ本社に帰って来ると……盟友で社長のアンヌが解任されていた! さらに、アンヌの後任には能力のないくせに威張っている男性ウルセルが就任していた!
納得のいかない解任劇――。いったい何が?!と驚くなか、ある人物から内部告発の書類を受けとる。どうやら、ウルセルは中国と手を組み、低コストの原発を建設しようとたくらんでいるようだ……。
モーリーンとアンヌは「中国に技術を売るっていうわけ?!」と驚き、怒る。さて、この難局、モーリーンとアンヌはどう乗り切るのか?
モーリーン役のイザベル・ユペールはブロンドの髪を後ろで結んで、黒ブチメガネ。それでもマッカな口紅や小花模様のブラウスなどで、女らしさを楽しんでいる。ヘルメットをかぶった女性従業員たちのユニホーム(白地に赤のライン)もスマートに見える。さすが「おフランス」?!
高校は女子校だった私――。女同士の団結に、ついウルッと来てしまった。
『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』
監督/ジャン=ポール・サロメ
出演/イザベル・ユペール、グレゴリー・ガドゥボア、フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン 他
10月20日よりBunkamura ル・シネマ 渋谷宮下 他 全国順次公開
(フランス、ドイツ 配給/オンリー・ハーツ)
© 2022 le Bureau Films - Heimatfilm GmbH + CO KG – France 2 Cinéma
さて、もう一本。10月7日公開のスロヴェニア+イタリアの合作映画『栗の森のものがたり』も必見!
時代背景は第二次世界大戦が終わった頃。場所は栗の森に囲まれた、イタリアとの国境地帯のスロヴェニア。妻を失った老大工と、ゆくえ不明の夫を待つ若妻の出会い……。その映像美! ディープなヨーロッパの風物・風景・暮らしぶりが胸にしみる。
※この記事は「ゆうゆう」2023年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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ゆうゆう2023年11月号
「健康寿命を延ばす食事と暮らし」を大特集。おしゃれなライフスタイルを発信している柏木由紀子さんと、健康長寿のコツは「3つのショク(食・職・触)」という樋口恵子さんにお話を伺いました。さらに、「ポスト更年期」の女性の体とのつき合い方、体と頭を強くする食事術、健康寿命を延ばす歩き方について、専門家がアドバイスをいたします。いつまでも健やかに暮らすためには、正しい知識と日々の積み重ねが何より大事。「そのうち」ではなく、今日から! この特集をお役立てください。
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お話を伺ったのは、断捨離提唱者のやましたひでこさん、生活評論家の沖 幸子さん、精神科医のTomyさん。Tomyさんはおっしゃいます「本当に大切なもの以外はなくていい。手放せば手放すほど、心はラクになっていく」と。何を手放し、何を残すか。イメージトレーニングしてみるのもいいですね。