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91歳 樋口恵子さんが語る。「どうしても手放せない」2つのものとは?

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樋口恵子

今年91歳になった評論家の樋口恵子さん。捨てるコツが話題に上がる昨今ですが、どうしても手放せないものが2つあるそうです。話題の新刊『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』から、樋口さんの日常を教えていただきます。

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捨てるのはご勘弁

ありがたいことに、90歳を過ぎても外に出る機会が多々あります。そういうときは、 90は90なりのスーツ姿で参ります。髪の毛は前日に美容院に行って整えて。身だしなみには気をつけているつもりです。

今でも洋服はひと部屋分ほどあります。このごろは収入も減っているはずなのに、お金があんまり減りません。洋服を買わなくなった、正確には買いに行けなくなったからです。

あんなにバーゲンが大好きだったのに。以前はデパートやホテルに入っている高級ブティックでバーゲンがあると、よく足を運びました。

なじみのお店だと、私が訪れる前に私のサイズに合わせて、「これは樋口さん向き」というものをとっておいてくださって。バーゲンですから何割引きかで買えて、うれしかったものです。

でも、ここ10年ほどはもうぷらぷらとショッピングというのがなかなかできなくなりました。つまらないなあと思っています。

ベッドのそばに、季節の洋服かけてあります。季節のもの以外の服や小物は、奥の扉の大きなクローゼットに。これでもずいぶん減 らしたんですよ。

私に似たサイズの人が周辺にいますので、洋服はそういう方々に譲ったりして手放すことはいたします。

でも捨てることはいたしません。というより、捨てる能力がないのです。だから捨てる方を批判する気はまったくございません。むしろ「捨てられるなんて偉いなあ」と尊敬しています。

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