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大河ドラマ『どうする家康』第41回「三成の逆襲」では、関ケ原の戦いが迫る様子が描かれていました。

そして、村雨辰剛さんが演じるウィリアム・アダムス（三浦按針）が登場し、番組の最後の「紀行巡礼」でも取り上げられましたね。

今回はそのウィリアム・アダムスをご紹介したいと思います。

イギリスの港町・ジリンガムで生まれる

ウィリアム・アダムスは、1564年に、イギリス南東部に位置するケント州の港町・ジリンガムで生まれました。
天文11年（1542）生まれの家康より、22歳年下となります。

森良和『三浦按針　その生涯と時代』によれば、ジリンガムのセント・メアリ・マグダレーン教会には、「ジョン・アダムスの息子ウィリアム・アダムスが1564年9月24日に受洗した」という記録が残っており、アダムスの誕生日はその数日前だと推定しています。

アダムスが生まれる6年前に、英国の黄金時代を築いたエリザベス一世が即位しています。

12歳で父親を亡くす

受洗記録以外に、ウィリアム・アダムスの両親に言及する史料は確認できていません。ウィリアム・アダムスも、両親に関しては沈黙を守っており、父親の地位も明らかではないです。

ですが、自分の名前を書ける人が少なかったほど識字率が低い時代において、ウィリアム・アダムスは幼い頃から読み書きを習っていたことから、彼の父は商業に関わっていた可能性も示唆されているといいます（フレデリック・クレインス『ウィリアム・アダムス――家康に愛された男・三浦按針』）。

その父親は、ウイルアム・アダムスが12歳のときに、この世を去っています。

船大工に弟子入り

1576年、アダムスは父親が亡くなると、故郷を出て、ロンドン近くのライムハウスで、有名な船大工であるニコラス・ディギンズの徒弟奉公人となりました。アダムス、12歳のときのことです。

アダムスは24歳までの12年間、徒弟奉公人としての生活を送りました。
ですが、徒弟の年季を終えたアダムスが選んだ仕事は、船大工ではありませんでした。

1588年、アダムスはエリザベス女王の王立海軍に入隊したのです。

ドレークの艦隊で、スペイン無敵艦隊との海戦に！

王立海軍に入隊したアダムスは、貨物補給船「リチャード・ダッフィールド号」の船長および、パイロット（水先案内）となりました。

アダムスの船は、フランシス・ドレークの艦隊に配属されました。

ドレークは、私拿捕船（外国船への海賊行為を政府に公認された船舶）の船長として名を馳せ、イギリス人としてはじめて世界周航の成功した国民的英雄です。

アダムスはドレーク指揮のもと弾薬や食糧を輸送する兵站業務につき、同年夏、スペイン無敵艦隊との「アルマダの海戦」に参加しています。

ご存じのとおり、アルマダの海戦はイギリスの大勝利に終ります。
海戦終結後、アダムスはバーバリ商会ロンドン会社に就職しました。

バーバリ商会は、貿易会社です。イギリスとモロッコ間の貿易の独占権をもっており、アダムスは、モロッコ航路を行き来する日々を送ったといいます。

翌1589年には、メアリ・ハインという女性と結婚式を挙げました。二人の間には二人の子が誕生しています。