【大奥】和宮(岸井ゆきの)の意味深な笑みの真実はいかに。原作再現度の高さに注目が集まる
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田幸和歌子
江戸時代の男女逆転の世界が描かれる、NHKドラマ10「大奥」のシーズン2も、豪華キャストからも目が離せません。シーズン1に引き続き、数々のドラマレビューを執筆するライター田幸和歌子さんに語っていただきます。
※ネタバレにご注意ください
★前回はこちら★
【大奥】正弘(瀧内公美)が最期の瞬間も満足したように見えたのは、夢を託すべき家定(愛希れいか)に出会えたから
男女逆転の江戸パラレルワールドを描いた、よしながふみの人気漫画『大奥』を原作に据えたドラマ10『大奥Season2』の第8話が11月21日に放送された。
家定(愛希れいか)は遂に待望の第一子を妊娠。福子姫(志田彩良)を次の将軍に推していた井伊(津田健次郎)が大老に就任したこともあり、後継の問題を巡り、開国派と攘夷派の思惑がひしめきあう。
そんな中、胤篤(福士蒼汰)は麻の裃を新調。それは、かつてお万の方様が着ていたものと同じ柄であった。
家定は、流水紋の裃を纏った胤篤を見て、そのあまりの美しさにうっとり。しかし、照れ隠しのためか、怒ったフリをするなど素直に褒めることができない。
そんな家定を見て、妊娠中なのに“流”水紋の模様だったことに怒ったのではと胤篤は勘違い。すぐさま謝罪に向かい、直ちに始末しますと言う胤篤に対し、「始末などもってのほかじゃ。召し替えてもならぬ!夕餉には戻るうえ、必ずそのままにしておけ!」と返す家定。家定のツンデレが炸裂した瞬間だった。
その晩、改めて顔を合わせる家定と胤篤。少しの沈黙の後、家定は胤篤を見つめ、目を潤ませながら「好きだ」と想いを告げる。
何をもってこの男を好きだと思うのかが、わからなかったと告白する家定。そんな家定を優しく受け止めるように、胤篤は私もだと返す。好きな理由など分からなくても、お互いに好意を寄せているという事実がそこにあれば十分なのだろう。その後、家定は懐妊を良く思わない人もいるだとうと、しばらく大奥を離れることに。
その頃、井伊が日米通商条約を結んでしまう。それは上様の判断なのかと、家定の現在の様子を知りたがる胤篤だったが、一向に会わせてもらえる気配はなく、井伊の返答は「お変わりない」ばかりだった。
そんな中、太守様である島津斉彬が亡くなったという知らせが入る。「覚悟してください」という重々しい前置きから始まったその話に、上様の死を想像していたのか、実の父の死の知らせを受けてもどこかホッとした様子の胤篤。
“江戸城に主がいない”今だからこそと、武力をもって攻め込むつもりだったという薩摩藩。
その言葉を聞き、「江戸城に主がおらぬとはいかなる意味か!」と胤篤は問い詰める。なんと、家定はお腹の子とともにとうに亡くなっているというのだ。