【大奥2】完。この上ない絶望的な展開の合間に見える、希望に満ちた将来を夢見させてくれた
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田幸和歌子
時は流れ、明治4年。天璋院は、商売人として成功した瀧山の商談に同行するため、船上にいた。天璋院は、瀧山を無事救うことができたのであった。
その際、天璋院は家定の最期に立ち会ったという医師と出会う。家定は毒を盛られたわけではなかったこと。そして、天璋院に対しては侘びこそすれど、恨みなど微塵も持っていなかったことを知る。
「そなたの人生じゃ。思うように生きよ」という家定の言葉を思い出し、涙を溢す天璋院。家定の死を受け入れることができた瞬間だった。
その後、天璋院は船上で、女子初の留学生だという6歳の少女と出会う。国を動かすような男性の良き妻となるため、英語を学ぶのだと少女は語る。
そんな少女に対し、天璋院はこう返す。
「いいえ、大きなことをなさるのは、きっとあなたご自身かも。」「この国は代々、女子が将軍についておったのですよ」
SNS上では、「原作をどう実写化すれば良いかの正解のようなドラマだった」「森下脚本の凄さが分かるから、今回ドラマを観て感動した人は是非原作も読んでほしい」といった声が多く寄せられていた。
この上ない絶望的な展開の合間に見える、希望に満ちた将来を夢見させてくれる温かな描写。そして、現代にも通ずるようなメッセージ性とで、多くの人を魅了した大奥2。
原作ファンをも唸らせる名作として、見事に走り切った一作となった。
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