【光る君へ】紫式部(吉高由里子)と藤原道長(柄本佑)の印象的な出会いに、濃厚な人間ドラマが繰り広げられる予感大!
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志賀佳織
第2回は、それから6年の時が過ぎ、15歳となったまひろ(吉高由里子)が成人を祝う裳着(もぎ)の儀式の場面から始まる。彼女の近頃の楽しみは、絵師の工房に通い、男に扮して恋に悩む人のために和歌や文の代筆をすることだ。
ある日の帰り道、小石を蹴ると草履が飛んで、散楽を見ていた男の頭に当たった。草履を拾って履かせてくれたその男の足には見覚えのある傷が。
「あなたは、もしかして足で字が書けますか?」 そう、それが今や道長と名乗る三郎(柄本佑)だったのだ。2人は6年前のあの日、果たせなかった約束を経てまたしても出会う。
「なぜ、あの日来なかったのだ」と尋ねる三郎に対し、「あの日のことは思い出したくないの」と答えるまひろ。母を刺したのが三郎の兄だとは、まだ知る由もない。
テンポのよい展開のなか、道長と紫式部が吉も凶も含んだただならぬ縁で結ばれていく予感が強まっていく。大石さんによれば、恋の行方だけではなく、「藤原三兄弟の骨肉の出世争いや、生々しい権謀術策、男の政の世界もたくさん描かれる」という。
「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」と詠んだ権力者・道長に、こんな一面もあったのかと思わせる描かれ方に、見る側の胸もキュンとするスタートだが、日曜のひととき、時空を超えた色鮮やかな雅な世界に浸って、2人の物語を見守りたい。
2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」レビュー
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