俳優・桐谷健太さんが40代になって思うこと「過去の出来事の一つ一つが、すべて今の自分につながってますね」
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ゆうゆう編集部
役が成長を促し、成長した自分にまた新たな役が
演じる人物像をつくるうえで大事にしているのは、自身の経験や感覚だ。
「今までいろんな台本をいただいて、直感的にわかる役もあれば、全然理解できないまま衣装合わせで衣装を着た瞬間、『あっ!』とわかったり、『トカゲみたいだな』と動物のイメージで捉えたりすることもありました。でも最終的には、意識するしないにかかわらず積み重ねた自分の経験からつくっていっている気がするんです。それは想像も含めて。その時々の感覚を大切にしていますね」
デビュー以来、仕事のチョイスはすべて事務所に委ねてきたという。
「マネージャーが言っていたのは『そのときの健太が頑張って手を伸ばして届くところの役を振ってきたつもりだ』と。まさにそうで、当たり前に打てるボールではなくて、全身全霊でやってどれだけホームランを打てるか、というような挑戦を常にさせてもらってきたのが、今につながっている気がします。
自分が決めるという自立した姿勢も大事だとは思いますが、それは年齢を重ねてからでもいいなと。事実、最近は自分の意見も求められるようになってきました。自分にはわからない『魅力』を引き出してもらえているのはありがたいです」
デビューから20年が経ち、年齢も40代に入った。さまざまな役柄のオファーが舞い込み、役者としての引き出しが急速に増えているように見える。
「役が自分の成長を促してくれて、許容量が少し広がった自分になる。そして日常を大切に感じながら生きることによって自分という人間の幅が広がり、また新たな役をいただく。どちらが先かわかりませんが、そうした歩みができているのだとしたら嬉しいですね。それが何か『あ、桐谷健太にこの役』と思っていただけるきっかけになるのだとしたら、やはり楽しく歩み続けたいなと思うんです」