俳優・桐谷健太さんが40代になって思うこと「過去の出来事の一つ一つが、すべて今の自分につながってますね」
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ゆうゆう編集部
遠い将来を思い描くより、目の前の今と向き合う
何か転機となった出来事はあったかを尋ねると「全部なんです」と言う。
「高校のときに大阪のアメリカ村を歩いていたら、美容師さんに『ヘアショーに出ない?』と言われて『絶対出る!』と言って出て。いろんな人に『俺ビッグになります!』みたいな話をしていたら、そこのモデルの兄さんに『じゃあ東京行かな』と言われて、『じゃあ東京行く!』となった。
運よく大学受験に合格して上京し、入学したその日にサークル勧誘のデスクすべてに顔を出して『俺ビッグになりますから。世界取りますよ』と言って回ってたら、先輩の一人が『おまえ、面白いな』と、その日のうちにクラブに連れていってくれた。それでお立ち台で踊ってたら、声をかけてきた人がモデル事務所を紹介してくれて、その後に受けたオーディションで次の事務所が決まったんです。
だから、どれか一つなくても今がない。バタフライエフェクトじゃないですけれども、どんな小さなことも大きな命につながっているのだと実感しています」
だからこそ、大切にしたいのは遠い未来よりも、日々、目の前の出来事と真摯に向き合うことだと思っている。
「今、撮影をしているのだったら、それを充実させて楽しんで、思い切りやっていくことを続けるだけです。気楽にね。そうしたら必ず未来も面白いほうに変わっていくので。だから将来こうなりたいというよりは、今を味わいながら楽しみながら、今日のご飯をおいしく食べたい、それだけです」
しかしただ漫然と楽しんできただけではないことも、その歩みからはよくわかる。チャンスは無駄にせずすべて握りしめてきた志がそこにはある。
「確かにラッキーでしたが、それにちゃんと気づけた自分をほめてやりたい。そう思っています」
PROFILE
桐谷健太
きりたに・けんた⚫︎1980年大阪府生まれ。
2002年テレビドラマ「九龍で会いましょう」でデビュー。
04年の映画『パッチギ!』、08年のドラマ「ROOKIES」でブレイク。
その後も、映画『クローズZERO』『BECK』、ドラマ「ケイジとケンジ」
などに出演。16年「海の声」が大ヒット。NHK紅白歌合戦にも出場した。
近作に映画『首』、ドラマ「院内警察」などがある。
INFORMATION
「連続ドラマW 坂の上の赤い屋根」
18年前、閑静な住宅街にある赤い屋根の家で起きた、娘とその恋人による両親殺害事件。編集者・橋本涼(桐谷健太)のもと、新人作家・小椋沙奈(倉科カナ)は事件をモチーフに小説を書き始める。関係者を取材する2人はやがて黒い渦に巻き込まれ──。真梨幸子による同名原作をドラマ化。
出演/桐谷健太、倉科カナ、橋本良亮、蓮佛美沙子、斉藤由貴 他
原作/真梨幸子『坂の上の赤い屋根』(徳間文庫)
監督/村上正典 脚本/吉川菜美
●WOWOWにて、3月3日(日)午後10時より放送・配信スタート(全5話・毎週日曜放送)
※この記事は「ゆうゆう」2024年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/hananojo スタイリング/岡井雄介 ヘア&メイク/岩下倫之(Leinwand) 取材・文/志賀佳織
ゆうゆう2024年4月号
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