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【ブギウギ】あの六郎の亀がまだ生きていた!旅立っていった周囲の人たちの代わりに、生き続けていくのだ

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田幸和歌子

「ブギウギ」第109回より(C)NHK

さて木曜日。いよいよ梅吉との別れが近づく。今際の際に、
「歌、聴かしてくれへんか」
とスズ子にお願いする梅吉。いい場面である。梅吉は、
「『父ちゃんブギ』で頼むわ」
とリクエスト。
「しらんのか」というが、「東京ブギウギ」の替え歌である。

涙ながらに「ほんま、アホや」と突っ込むスズ子だが、泣き笑いのなか親子でこの替え歌を一緒に歌う。泣かせる場面であることはわかるが、「父ちゃんブギウギ」、申し訳ないがややすべっている気がしてしまったのだが。個人的に泣けるかどうかはともかく、サブタイトルも「父ちゃんブギ」でよかったのかもしれない。

歌いながら号泣するところでブツ切り的に終わった。ところでこの週だが、愛子が梅吉の部屋に入るところで終わったり、羽鳥がウクレレをポロンとつまびく音で終わったりと、これもまた、ねらいがあるのかもしれないし、ナレーションで締める描き方をしていないこともあるのか、毎回ブツ切り的に終わるのが少し気になった。

そして金曜日。もう梅吉は死んでいた。遺影になっていて、お葬式の場面。ここで実の母・キヌ(中越典子)、再登場。これはこれまでの突然思い出されたかのように登場するかつてのキャラクターではなく、正しく再登場した感はある。

去っていくキヌを愛子に、「マミーのマミーや」と説明するスズ子。それを背中越しに聞き、一筋の涙を流すキヌ。直接のやり取りを介さずにこれまでのわだかまりをこの一言で解消させたところは美しい結末だった。

アメリカ公演、梅吉、キヌ……たくさんの要素が盛り込まれすぎて駆け足感の強かった今週。ためしに週末放送のダイジェスト版も見たが、それだけの要素があった週なのに、あまり印象は変わらなかったところが不思議な週だった。

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