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26年ぶりに映画で主演を務めた岩城滉一さん「“老い” “妻への愛”、役に共感しながら演じました」

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ゆうゆう編集部

映画に影響されて料理を手伝うようになった

健二は、妻亡きあと、自分でさばの煮つけやみそ汁を作り、ひとりで自立した生活を送っている。岩城さん自身は、「オレはできない。女房がいないと、靴下がどこにあるかもわからないよ」と苦笑い。

「健二を演じてから、僕も料理を手伝うようになったんです。本当はそんなこと公にしたくないけど、女房がインスタグラムにオレが春巻きを作っている画像をアップしちゃったから、世間にバレてる(笑)」

照れながら話す岩城さん。健二役がもたらした大きな変化だ。きっとアンナさんは嬉しかったのでは?

「僕が手伝ったから嬉しいとか、そういうふうに思う人ではない。別に僕がいなくたって、女房は料理を楽しんで作っているわけだから。ただ、手伝おうという気持ちになった、そういう僕の変化を喜んでいたね。料理を楽しいとは思わないけど(笑)、作りながら夫婦で会話が生まれるでしょ? 『春巻きの具は何を入れる?』とか。そういう会話の時間をもてるのがいいね」

実は岩城さんとアンナさんは、二人で一緒に行動することはほとんどないという。

「一緒に暮らして48年になるけど、うちは“動と静”、性格も趣味も全く違うんですよ。僕は若い頃からバイク、車、ダイビング、スノーボードとアウトドア派で、女房は家でハーブや花を育て、料理を楽しむインドア派。家にいても僕は車やバイクが置いてある自宅のガレージにいることが多いし、女房は最近、時間があると絵(イラスト)を描いている。お互いに趣味があって、やりたいことがたくさんある。それを尊重しているんです。共通の趣味というか話題は愛犬Ozzy(オッジィ)のことぐらい」

夫婦が同じ方向を見るのではなく、ベクトルが違うからこそ、「話が弾む」と言う。

「お互いがやっていることに対して、『それ何? どこが面白いの?』と興味が湧くし、違う角度から感想やアンサーを言い合えるから、話題が広がっていくんですよ。仕事のフィールドも違うしね。たとえば今日帰宅したら、『雑誌の取材を受けたよ』『ダディ、失礼なこと言わなかった?』『言わないよ、こんなこと話したよ』みたいな会話をすると思う(笑)」

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