【虎に翼】花岡(岩田剛典)は、やさしきポンコツ感を醸し出すことのできる貴重な役者になってきたと思う
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田幸和歌子
「俺が漢(おとこ)の美徳と思っていた強さ、優しさを、あの人たちは持っている」
と、寅子たちの姿に打たれ、本当にリスペクトしているのだ。
この轟と花岡、男女間の恋愛よりむしろBL的な「キュン」が生まれそうでもあるが、この轟のキャラは視聴者にも好評で、SNSには「#俺たちの轟」というタグをつけた投稿が数多く見受けられる人気となっている。
質実で誠実な轟の言葉と態度に目がさめ、自分に正直になる花岡。梅子(平岩紙)に、「皆さんを尊敬しているのに無駄にかっこつけたり」「帝大生に引け目を感じたり」と、本音を打ち明け頭を下げる。そして最終的には「また君のことばかり考えてしまうだろ!」と、うっすら恋愛的「キュン」が(ただしモノローグ的なナレーションの口調も含めややコミカルふうだが)発生するのだった。
この花岡の気持ちの変化だけでも1週間5話分じゅうぶんすぎるほどの内容になりそうだが、今週はとにかく盛りだくさん。花岡たちの置かれた環境や心情を浮かび上がらせるのが、「ホモソの頂点」エリート弁護士の夫・徹男(飯田基祐)が妻をバカにした言動で笑いをとる行為。そして、それを前にしたときの、梅子の複雑な「スン」。そこからの梅子の「法」に込めた強い思いが見え、寅子のほのぼのした「キュン」の直後に、父・直言(岡部たかし)の贈収賄容疑での逮捕という急展開。
家宅捜索が行われ、事件は大々的に報道、寅子も登校できない状況に追い込まれていく。そんな状況の中、捜査員たちに法を学ぶ立場から対峙する優三(中野太賀)。正義と頼もしさを見せるものの、緊張すると腹痛におそわれることがあるという頼りなさで深刻な状況のなか笑いを届けてくれる。
いつも明るく「そのほうがいい!」と、少々ズレた大らかさで包容力と笑いをくれる兄の直道(上川周作)。報道陣に囲まれ自宅から出られず困る寅子のもとに、隣家づたいに生垣を乗り越えて登場する花岡、そして穂高教授(小林薫)、どこか頼りなさそうな彼らがすべて頼もしい寅子の仲間に見える安心感はなんだろう。次週、重い展開が続く中、寅子たちの逆襲に期待したい。
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