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【色の名前クイズ】どっちが「濃色(こきいろ)」?

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ゆうゆうtime編集部

濃色は【A】

ただ濃い色のことではなく、深紫(こきむらさき)のこと。昔は色といえば紫のことで、特に紫とことわるまでもなかったのです。深紫は、天皇、皇太子の袍(ほう)を別格とすれば、臣下では最高位を象徴する極官の色とされていました。そこで至極色(しごくいろ)とも呼ばれています。英語のシュプリーム(supreme)と同じ由来です。ただし、シュプリームはディープブルーの別名。

古代の日本で、大陸との間に人や物の交流がさかんになり、渡来人が増加するにつれて、国家としての体面が配慮されるようになり、推古天皇の11年に聖徳太子によって初めて冠位十二階が定められ、位による冠の色が決められました。それが衣服の色にも適用され、朝服の色の規定ができたのですが、常に深紫または黒紫(こきむらさき)は最高位の色と決まっていました。その結果、紫は日本の歴史では特別な色になりました。

それでは【B】は何色?

【B】は煙草色(たばこいろ)

乾燥した煙草の葉の色に由来する色名。喫煙が健康に影響を与えるとして、愛煙家には肩身の狭いご時勢になっていますが、7世紀頃アンデス地方で生まれたとされる煙草は、当初は薬として用いられたよう。近世になってからは、生活にゆとりをもたらす嗜好品の一つでした。英語の色名には、これらの嗜好品からとられた色名がかなり多くあります。

日本語には、その種の色名はほとんどないから、この色名も外来色名がそのまま定着したもの。「たばこ」という言葉もポルトガル語から日本語になったもので、もとはアメリカ先住民の言葉でした。コロンブスの新大陸発見の副産物だから、ヨーロッパでも16世紀以後に知られるようになったわけで、英語のタバコブラウン(tabacco brown)という色名は、1789年になってから出現したもの。

※この記事は『増補改訂版 色の名前事典519』(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

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監修者

一般財団法人

日本色彩研究所

日本で唯一の色彩に関する総合研究機関。1927年画家・故和田三造氏により日本標準色協会として創立。1945年財団法人日本色彩研究所として改組。1954年、世界に先駆けて「修正マンセル色票」の色票化研究に着手し、諸外国の研究機関に寄贈するなど、長年にわたり先端的な研究を続ける。諸省庁、自治体からの要請への対処、JISの制定や関連色票の作成等への参画、ガイドラインの提案などに携わる。

日本で唯一の色彩に関する総合研究機関。1927年画家・故和田三造氏により日本標準色協会として創立。1945年財団法人日本色彩研究所として改組。1954年、世界に先駆けて「修正マンセル色票」の色票化研究に着手し、諸外国の研究機関に寄贈するなど、長年にわたり先端的な研究を続ける。諸省庁、自治体からの要請への対処、JISの制定や関連色票の作成等への参画、ガイドラインの提案などに携わる。

増補改訂版 色の名前事典519

日本色彩研究所監修
福田邦夫著

日本における色彩研究の第一人者である「色の巨人」福田邦夫氏の色名事典のバイブル最新刊。福田氏ご逝去(2013年)の後、氏が深く関わった日本色彩研究所の監修協力を得て全面改訂。前作『新版 色の名前507』に12色を加えて519色に。JIS(日本産業規格)の269色を含む全色の正確な色見本にマンセル値、RGB、CMYKのデータを網羅。また、国内外の多くの文献をもとに色名から広がる色の世界が語られている。内容の信頼性の高さに加え、風趣に富む文章で色彩文化の読み物としても楽しめる。本改訂では平安時代からはじまる雅な「かさねの色目」79色をプラス。色値もすべて再確認し適宜修正、文章も現代に合わせて最低限の修正を加えている。色が好きな人、色の仕事に関わる人、すべてに「先人の色彩命名における言葉づかいの妙と、色に対する感性の豊かさを楽しんでいただければ幸いである」という福田氏の思いが伝わる決定版。

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