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48年ぶりのひとり暮らし…「介護、看取り、いろいろあるけど、なるようになる!」イラストレーター 本田葉子さん

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植田晴美

人生の転機とともに、住まいや暮らしをサイズダウンして、ひとり暮らしを楽しんでいる方がいらっしゃいます。イラストレーター 本田葉子さんもそのひとり。新しい環境のなかで、毎日を軽やかに、自分らしく、おしゃれに楽しんでいる様子を取材しました。5回に分けてお届けする、第1回は、ひとり暮らしになった経緯とお金の話について。

↓↓古民家に暮らしていたころの本田葉子さん
夫を見送った、イラストレーター本田葉子さんの正真正銘のひとり暮らし。「身軽になった自分を心から言祝ぎ、新生活を楽しみたい!」

PROFILE
本田葉子
ほんだ・ようこ●イラストレーター
1955年、長野県生まれ。25歳で結婚し、2児の母に。2017年に夫の逝去を機に、義母と息子、愛犬とともに神奈川県小田原市の古民家に移住。ほどなくして義母と愛犬を看取り、息子も独立。約1年前に公営の集合住宅に移り、本格的なひとり暮らしを楽しんでいる。東京新聞・中日新聞と、やずやのウェブサイト「ココカラPark」にて、おしゃれや暮らしのあれこれを綴ったエッセイを連載中。著書に『おしゃれと暮らしのレシピ』(東京新聞出版局)他。
ホホホの本田Style
http://hohoho.pupu.jp/

周りからは「大変だったね」「頑張ったね」と言われるけれど……

6年間病と闘った夫を看取り、義母、息子、愛犬と神奈川県小田原市に移住したのが2017年のこと。その後、義母と愛犬を見送り、息子が独立した約1年前から本格的なひとり暮らしをスタートした本田葉子さん。現在のお住まいに落ち着くまでのお話をうかがっていると、この十数年は息つく間もない“怒涛の嵐”といった印象を受けます。

家族の看病、介護、看取り、移住、48年ぶりのひとり暮らし……と立て続けの大きな出来事を、本田さんはどう乗り越えていらしたのでしょうか? 

「う~ん。あんまり深く考えていませんでしたね。まあ、なるようになるだろうって」
と、気が抜けるほどサラリとしたお答え。

「夫のがんが見つかったとき、ステージ4だったのですけど、治療を受けながら本人は仕事や趣味を楽しんでいたので、治るかなあなんていう気になっていたの。義母の介護はヘルパーさんの力を借りたりデイサービスを利用したり。周りからは大変だったわね、よく頑張ったわねと言われるけど、そこにイヤな思い出が全然ないんですよ」

本田さんは現役のイラストレーターです。仕事という自分の世界があったことが、よかったのかもしれないと、当時を振り返ります。

「通院の付き添いや看病、介護だけじゃなくて、仕事の打ち合わせがあったり、机に向かってイラストを描いたりする時間が息抜きのようになっていたのかもしれません」

約1年前に公営の集合住宅に引っ越しました。

草花が大好き。お世話いらずの植物が家の中のいたるところに!

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