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「SKYキャッスル」度肝を抜かれるセレブのパーティーと美貌の妻たち。痛快キャラ勢揃いの1〜6話レビュー【韓国ドラマ】

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藤岡眞澄

そして、スイムの家に前住人が置き忘れたタブレットを受け取ったソジンは、ヨンジェが両親に書き残したと思われる「殺してやりたい」という文字を目にしてハッと気づく。ミンジュは息子から絶縁を突きつけられた絶望で死を選んだのではないか? コーデのキム先生は、幼少期からスパルタ教育を受けたヨンジェの憎しみや恨みを駆り立て、両親への復讐を目標にソウル医大合格へのモチベーションを煽っていたのではないか?……と。

1話から度肝を抜かれたのが、祝賀パーティー。スタイリッシュなファッションや宝石を身にまとって集う美貌のSKY妻たち。ラグジュアリーなインテリアや調度品、食器や料理もすばらしい。

たとえば、おもてなしに使われた食器は、ロシアの名陶インペリアル・ポーセリン。ソジンがSKY妻たちをお茶に招いたとき(3話)のカップは英国のロイヤルクラウンダービー製。財閥ではないものの、「上位0.1%の上流社会に住まう人々」の暮らしぶりがディテールまでお金をかけて丁寧に描かれて、目を楽しませてくれる。

そして、1~6話にしてすでに登場人物1人1人がキャラ立ちしているからこそ、見ているこちらもキャラに感情移入しながらドラマにすんなり入り込める。超ビッグというわけではない中堅俳優たちだが、培ってきた演技力を丁々発止でぶつけ合っているのが見事だ。

ソジンを演じたヨム・ジョンアはミスコリア出身。清潔感のあるショートカットで、TPOをわきまえたファッションを着こなしている。野望を内に秘めた良家の奥さま、という役柄がピッタリ。でも、乱暴なドライブテクやキレたときに口をついて出る「口を引き裂くわよ」というはすっぱな言葉遣いに、隠された出自が見え隠れする。

ロースクール教授を夫にもつノ・スンヘ(ユン・セア)は、息子たちにピラミッドの頂点を目指せと強要する夫にほとほとあきれながら、子どもたちを理解し、温かく見守る。大学院出の知性の持ち主だがいまは専業主婦。優しい笑顔で、ときに夫に強烈な反撃パンチを食らわせる痛快キャラでもある。

スンヘの夫はロースクール教授。息子たちにピラミッドの頂点を目指せと強要する

ソジンの夫に腰巾着のように付き従う整形外科医の夫をもつチン・ジニ(オ・ナラ)。芸能界を目指したというだけあって、ファッションも愛情表現も派手。とり立てて信念があるわけでもなく、相手の話を「ネマリ、ネマリ~(でしょ、でしょ)」と受け流すのが癖。韓国では「ネマリ、ネマリ~」をジニの抑揚で真似するのが流行したという。SKY妻№1の愛されキャラ。

そして、謎のクール・ビューティーとして登場するコーデのキム先生。7話以降、娘の講師探しに苦慮し、再びコーデを依頼してきたソジンの心を惑わせ、静かに深く入り込んでいく冷徹な手口から目が離せない。いよいよサスペンス・ドラマの幕開けだ。

韓国では「ネマリ、ネマリ~」をジニの抑揚で真似するのが流行したという

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