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【ガーデニング】きれいな秋バラのために— 夏剪定の具体的なやり方は?9月のバラ育てQ&A

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吉原美奈子

【ガーデニング】きれいな秋バラのために— 夏剪定の具体的なやり方は?9月のバラ育てQ&A

剪定時に花が咲いていると切るのが惜しくなりますが、こんな風に切り花にして飾りましょう。白とグリーンの取り合わせがさわやか。

長かった夏もそろそろ終わりを迎え、秋バラが気になる季節です。涼しくなって少し元気をとり戻したバラをていねいにお手入れし、10月にはきれいな花を見たいものですね。9月ならではのバラ栽培の疑問に答えます。

▶️▶️バラの夏剪定とは?
【ガーデニング】夏のバラのお手入れ。秋にバラをきれいに咲かせるための、夏剪定とは?

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赤いバラの鉢植えがあるスタイリッシュなテラス。給水器を土に差し込んでいるので、少しの留守なら水やりの心配はいりません。

Q 夏剪定と秋剪定はどう違うのですか?

A 結論から言えば、夏剪定も秋剪定も同じ作業です。剪定の作業が8月25日頃~9月15日頃までに行われるため、人によってその表現が違うだけ。
8月中なら夏ですし、9月10日過ぎだと秋のほうがしっくりくるかもしれません。

最近は夏の気温が高くてなかなか涼しくならないため、9月初旬でも体感的には夏と感じる人が多いようです。

そのせいかどうか、筆者の周囲では夏剪定という人のほうが多いように思います。

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やさしいピンクの房咲きのバラと花たちが白いパティオを囲む、アメリカの郊外の住まい。

Q 夏剪定は必ずやらなければならないの?

バラの種類によって、夏剪定が必要なものと不要なものがあります。今、市場に一番多く出回っている四季咲きのバラは繰り返し花を咲かせますが、5月と10~11月が大きな見頃となります。

剪定をやらない場合、バラはちらほらと咲き続けるだけで秋の一斉の開花は見られません。10月中旬以降は気温が下がっていくため、春ほど一斉には咲かないものですが、それでも揃って咲く秋のバラは素敵です。

また、剪定をやらないと品種によっては樹高が高くなりすぎてしまいます。たとえ10月頃にきれいな花が咲いても、株のてっぺんで開花してしまうのでは人の目に触れにくく残念ですね。
10月に秋バラをじっくりと楽しみたいなら、夏剪定はやっておくことをおすすめします。

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ディープカップ咲きのバラは湿度が低いほうがきれいに開いてくれます。開花のプロセスを楽しみましょう。

Q 夏剪定の具体的なやり方を教えて

A剪定は冬剪定のように枝を下まで深く切る必要はありません。バラは冬と違って生育中なので、なるべく葉を残すように高めの位置で切るのが基本です。
もし茶色く枯れ込んだ葉や枝があったらその部分は切りとってください。

次にハサミを入れる位置ですが、8月に花が咲いた枝を見つけ、その枝の真ん中あたりを切ります。バラの葉をよく見ると、葉が5つ付いている5枚葉、3つ付いている3枚葉、まれには1枚葉もありますが、ハサミは5枚葉のすぐ上5~6㎜のところに入れます。

ハイブリッドティー樹高が高い品種なら、株の上部1/3を取ってしまうつもりで剪定するとよいでしょう。樹高が低い品種なら高さにはあまりこだわらず、枝の高さにばらつきがあっても気にすることはありません。

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原種バラのロサ・カニナ。一季咲きで旺盛に伸びます。秋に赤いローズヒップが実るので必要な分の枝は切らずに残します。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

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オールドローズとは、1867年に最初のモダンローズである‘ラ・フランス’が登場する以前に育種・栽培されていたバラの総称です。ダマスク系やガリカ系など豊かな香りと花姿を特徴とする系統がいくつかあり、多くは一季咲きです。自然な樹形の美しさから、ナチュラルな庭づくりによく取り入れられます。

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有機質肥料とは、植物や動物の有機物を原料とした肥料で、油かす、鶏ふん、魚粉などがその代表例です。土壌中の微生物が有機物を分解することで、植物が吸収できる栄養素がゆっくりと供給されます。この特徴により、化学肥料と比べて土を改良し、植物の健康的な生長を促す効果が期待できます。特にガーデニングでは、土壌の栄養バランスを整えたり、地力を持続的に保ったりする目的で愛用されています。一方で、効果が現れるまで時間がかかるため、計画的な使い方が望まれます。環境にも優しく、初心者からベテランまで幅広いガーデニ...

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固形肥料とは、粒やブロック状の形状をした肥料で、ゆっくりと分解・溶解して植物に養分を供給します。有機質系から化成肥料まで種類も豊富で、鉢植えの表面に置くか、土に混ぜ込んで使うのが一般的です。肥効の持続期間や成分バランスに応じて使い分けることで、効率的な栽培が可能になります。

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四季咲き性とは、特定の開花期をもたず、条件が整えば一年に複数回花を咲かせる性質を指します。​バラやベゴニアなどにこの性質をもつ品種があり、長期間花を楽しむことができます。

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一季咲きとは、一年のうち特定の季節にのみ花を咲かせる植物のことを指します。特にバラにおいてよく使われる用語で、春から初夏にかけて一度だけ花を咲かせ、その後は葉の生長や株の充実に向かうタイプの品種を指します。これに対して、四季咲きの植物は年間を通じて複数回花を咲かせる特性があります。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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草木灰とは、植物を燃やして得られる灰で、おもにガーデニングで使用される天然の肥料です。カリウムやリン酸が豊富に含まれており、土壌のpHを上げてアルカリ性にする働きがあります。特に酸性土壌を改良したり、果樹や花の開花を促進したりする際に役立ちます。また、野菜の病害予防や害虫対策にも効果的です。ただし、多量に使うと土壌バランスを崩すこともあるため、適量を守ることが大切です。

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油かすとは、菜種や大豆などの油を搾った後に残るかすで、チッ素分を多く含む有機肥料です。元肥や追肥として利用され、植物の葉や茎の生長を促します。ゆっくりと効き目が現れるため、長く栄養を与えたいときに適しています。ただし、施しすぎると発酵時に悪臭が出ることがあるため、量や場所に配慮が必要です。また、スイセンはチッ素過多になると、球根が分球しやすく花が咲きにくくなるため、リン酸分の多い肥料を施します。

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骨粉とは、牛や豚などの動物の骨を高温処理して粉末状にしたリン酸質肥料で、おもに花や実のつきをよくする効果があります。即効性はありませんが、土壌にじっくりと効いてくる緩効性で、バラや球根植物、果樹などに多く用いられます。有機質肥料の一種として、堆肥などと併用することで、より健全な土づくりに貢献します。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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