【秋の童話】を久々に一気見!19歳のソン・ヘギョに大器の片鱗がのぞく。ソン・スンホン、ウォンビンが若い!1〜6話レビュー【韓国ドラマ】
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藤岡眞澄
序盤の1~6話。まず、子ども時代のウンソを演じたムン・グニョンの美少女ぶりと、そのつぶらな瞳からポロポロとあふれ出す涙が印象に残る。特に、育ててくれたユン家がアメリカに旅立つ日の車を、町はずれのトンネルでひとり涙しながら見送るシーンは、何度見ても涙が出る。“国民の妹”と呼ばれるようになったのも納得だ。
もう一人、ウンソの“産みの親”スニムを演じたキム・ヘスクの登場シーンも衝撃だ。化粧っけなしでチリチリパーマ、怒声で迷惑客を追い出す姿は下町食堂の女主人そのもの。この一瞬で、豊かなユン家と、貧しいチェ家の対比を際立たせるからすごい。
そして、経済力のない自分のところに来る子は不憫だと思いやる情の深さゆえに、子どもは“産みの親”のものなのか、それとも“育ての親”のものか—— という不条理な問いを前に答えが出せないでいる母の葛藤がひしひしと伝わってきて、胸が痛くなる。
多くのドラマで母親役を演じ、“韓国の母”とも呼ばれるキム・ヘスク。『冬のソナタ』でもユジン(チェ・ジウ)の母役を務める名優だ。
そして、2人が幸せな子ども時代を過ごした懐かしくも詩情豊かな田園風景が、まさに“童話”の世界を思わせる。
ジュンソとウンソが自転車でくぐった木のトンネル。自転車通学で走った田んぼのあぜ道。2人で雨宿りした倉庫の前。制服で水遊びした川。兄妹ではないことを知り、「もし生まれ変わるなら?」というジュンソの問いに、「樹になりたい。そうすれば誰とも別れずにすむから」とウンソが涙をこらえて答えた、海に続く線路沿い……。
その後にどんなつらい運命が待ち受けていようとも、幸せな時を共有した自然や風景は心に刻まれて、消えることはない。そして、自然は人の気持ちをピュアにしてくれる。だから、アメリカから帰国したジュンソは、真っ先にこの風景に会いに行ったに違いない。