【秋の童話】ジュンソ(ソン・スンホン)の優柔不断さは「海のはじまり」の夏(目黒蓮)に通じるものを感じる7〜12話【韓国ドラマ】
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藤岡眞澄
紅葉に染まった並木道を散歩する2人。ウンソが初恋の人の名を彫った、という樹に自分の名前を見つけて喜ぶジュンソ。秋草を摘んだ花束を手に「結婚しよう」とプロポーズをされて微笑むウンソ……。
『秋の童話』というタイトルそのまま、ロマンチックで情感豊かなロケーション。まるで子ども時代に戻ったかのように幸せそうな2人の姿が黄金色に輝いて美しい。
だが、一途にウンソを思うテソクは2人が暮らす牧場を探し当て、ジュンソにひと言、「お前は人を裏切れない」と忠告する。
テソクは気づいていた。ジュンソとウンソが、決して人を傷つけたりはできないことを。
たとえ「誰かを傷つけても、この愛は諦めない」と周囲に宣言しても、2人が結ばれる道のりは果てしなく遠いことを。
そして、ホテル経営者の息子に生まれ、両親の離婚で屈折した感情と孤独を抱えながら、野心家のプレイボーイを自認してきたテソクが初めてウンソを本気で愛したのは、執着や嫉妬、我欲とは無縁のウンソの純粋な愛に惹かれたからだ、ということを。
手に入らないものはない、と思って生きてきたテソクが、唯一手に入れられなかったのが、本物の愛だった。
テソクは愛し合う2人を目の前にして、片思いにもがき苦しみながらも、愛を求めて一人の男として成長していく。そんな心情の変化を熱く切なく、繊細に演じた姿に、ウォンビン推しになった人も少なくないはず。ウォンビンの憂いを秘めた澄んだ目は唯一無二だ。
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