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【仲野太賀さん】二階堂ふみさんとの共演で話題「お客さんが水の中をのぞくように観る」舞台の魅力とは?

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ゆうゆう編集部

すばらしい舞台は演者と観客がともにつくる

岩松作品のセリフの美しさには定評があるが、舞台作品になると、それは別の効果を生み出すと仲野さんは感じている。

「役者はそのセリフを言葉にして演じるのですが、どれだけ言葉を尽くしても、尽くしても、尽くしても、言葉にし尽くせない『何か』が劇場内に漂う感じがあるんです。その『何か』……それは空気のようなものなのですが、お客さんはその『何か』に心をもっていかれている。いつもそれを感じています」

映像作品に数多く出演する仲野さんだが、「舞台は、観客の反応を受け取りながら演じる喜びがある」と言う。「特に岩松作品には不思議な緊張感があるんですよね。演者だけでなく、お客さんもピンと張りつめた空気感になる。岩松さんが以前、『水面に浮かんでいるものがすべてではない。本当のドラマは水面下で起こる』とおっしゃったんです。つまり、役者が演じているものがすべてではなく、その奥に何か別の真実がある、ということ。だからお客さんたちも、水の中をのぞくように芝居を観る。この緊張感は岩松さんの舞台特有で、本当にすごいと思います」

その話を聞くだけで、ぜひとも「観客の一員」になりたいという気持ちにさせられる―と話すと、それまでのシリアスな表情から一転、満面の笑みを浮かべて「ご来場、心よりお待ちしています!」。さすが、役者である。

地方公演での楽しみは各地のご当地グルメ

舞台では、二階堂ふみさんとの共演も話題になっている。

「出演のお話をいただいたときには、ストーリーも他の出演者も何も決まっていなかったんです。その後、ふみちゃんと共演すると決まったときは、さらに嬉しかったですね」

二階堂さんとは10代の頃からいくつもの作品で共演している「親友」でもある。

「とはいえ、舞台では12年ぶりの共演です。長く信頼関係をもってつき合ってきた仲間と、岩松作品に出演できることは幸せ以外の何ものでもありません。共演する他の俳優さんもみんな岩松作品が大好きで、しかも役にバシッとはまる人たち。ぼく自身もワクワクしています」

東京公演のみならず、新潟、宮城、富山など全国8カ所を巡る。

「楽しみですね~。地方公演は舞台が終わったあと、みんなで食事に行くんです。それがとても楽しみです!」

これまでの舞台で思い出に残る地方の料理は?

「最近だと、広島で食べた鉄板焼きですね。広島風お好み焼きはもちろん、海鮮焼きがめちゃくちゃおいしかった。あとは宮城でいただいたセリ鍋。あの味は忘れられないですね。今回は新潟があるので、新米や日本酒がおいしいんだろうなぁ」

多忙な日々だが、リラックス方法はあるのだろうか。

「しっかり眠ることですね。就寝前には30分くらいストレッチします。あとは、撮影に行く前に近くの公園を散歩します。緑に触れたりすることで、少し心が穏やかになる感じがするんです」

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