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【仲野太賀さん】二階堂ふみさんとの共演で話題「お客さんが水の中をのぞくように観る」舞台の魅力とは?

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ゆうゆう編集部

好青年からクセのある若者までどんな役も難なくこなし、ゆるぎない存在感で魅了する仲野太賀さん。2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主演も決まり、ますます注目を集めています。そんな仲野さんがこの秋に挑む舞台への熱意と、30代になって思う「なりたい大人」の姿について伺いました。

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PROFILE
仲野太賀さん・俳優

なかの・たいが●1993年生まれ。東京都出身。
2006年にデビュー以降、映画や舞台、テレビドラマに多数出演。16年のドラマ「ゆとりですがなにか」でブレイク。
22年には映画『すばらしき世界』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞などを受賞。
今年11月は『本心』『十一人の賊軍』の2本の出演映画が公開を控えている。

俳優・仲野太賀の恩人、岩松了さんの舞台に挑む

誰からも愛される人––––仲野太賀さんにインタビューしながら、ふとそんな言葉が浮かんだ。

どんな質問にも一度きちんと考え、誠実に答える。ときにユーモアたっぷりに、ときに真剣な表情で。言葉の端々には、仕事に対する真摯さがにじむ。多くの監督やプロデューサーに信頼され、「ぜひ演じてほしい」と請われるのもうなずける。

この夏のドラマ「新宿野戦病院」は小池栄子さんとのW主演で、チャラい美容皮膚科医の心の変化を繊細に演じた。朝ドラ「虎に翼」には、主人公・寅子の夫役で出演。寅子に語る優しさあふれる言葉の数々に、朝から号泣させられたゆうゆう読者も少なくないはずだ。そして2026年の大河ドラマの主演も控える。

そんな仲野さんが、10月から始まる舞台『峠の我が家』の主演を務める。作・演出は岩松了さん。俳優としても数多くの出演作がある岩松さんだが、劇作家や演出家、映画監督としても高い評価を得ている。そんな岩松作品に、仲野さんが呼ばれるのは6回目。信頼は絶大だ。

「最初に出演させていただいた舞台『国民傘』のとき、ぼくはまだ17歳でした。まだ何者でもないぼくを岩松さんがオーディションで拾ってくださって、演劇がいかに広く深いものであるかを教えてくださった。ぼくの恩人です。そこから何回か岩松さんの作品に呼んでいただいていますが、そのたびに安心するんです。ああ、ここまでの自分は間違っていなかった、一生懸命やってきてよかったなぁ、と」

仲野さんが思う岩松作品の魅力とは何だろう。

「岩松さんのセリフには、生きるとか死ぬとか、人間関係とか、そういうものへの深いまなざしがあります。ぼく自身の経験や理解の範疇では、決して出てこない言葉ばかり。そのセリフが、ぼくを一段高いところに引き上げてくれるんです。うまく言えないのですが、たくさんの気づきをいただける作品です」

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