記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】「これもバラ?」ポンポン咲き、一重咲きなど 美しく多彩なバラの花形

公開日

更新日

吉原美奈子

【ガーデニング】「これもバラ?」ポンポン咲き、一重咲きなど 美しく多彩なバラの花形

小輪ポンポン咲きの‘ミネハハ’。1904年作出の古いバラですが、黒星病、うどん粉病に強い品種。枝垂れさせるように誘引すると素敵です。(筆者撮影)

バラは色、形、樹形のバリエーションが豊富な植物。前回にお伝えした剣弁高芯咲きやカップ咲きの他にも個性的な花形がたくさん揃っています。コレクションの中に「これもバラ?」という花を加えるのも楽しいものです。

▼前回はこちら!▼【ガーデニング】バラの3大花形「剣弁高芯・カップ・ロゼット」これだけは覚えておきたい!

【ガーデニング】「これもバラ?」ポンポン咲き、一重咲きなど 美しく多彩なバラの花形(画像2)

桜色の小輪のつるバラ、‘ポールズ ヒマランムスク’。花径3~4㎝で、気温によってはポンポン咲きのようになることもあります。(筆者撮影)

つるバラに多い小輪ポンポン咲き

小輪咲きのバラとはおおむね花径2~4㎝のバラを指します。
小輪バラというとランブラーローズを思い出す方も多いでしょう。這うように長く伸びる枝に無数の小さな花が付くつる性の系統です。

花が小さいということは、一つの花に注ぐエネルギーが小さくて済むわけですから、その分たくさんの花がつくのは理にかなっています。

【ガーデニング】「これもバラ?」ポンポン咲き、一重咲きなど 美しく多彩なバラの花形(画像3)

ポールズ ヒマランムスクを誘引した、軽井沢レイクガーデンのドーム。伸長力旺盛で大型のパーゴラやバラのドームに向きます。(筆者撮影)

小輪の花が集まって房状に咲くようすは、ハイブリッドティー系などの大輪花とはまた違った華やかさがあります。
パーゴラや大型のアーチ、フェンス、家の壁面をバラで覆いたいときにぜひ利用してみてください。

また、小輪のバラで花弁が密なものは全体が丸くまとまることが多いのですが、これはポンポン咲きと呼ばれ、愛らしい花形が人気を集めています。

代表的な品種に、紫玉、ルッセリアーナ、つるポンポン ド パリ、フェリシテ エ ペルペチュ、プチ ポワン、ドロシー パーキンス、キングローズなどがあります。

すっきりとした印象の一重咲き

【ガーデニング】「これもバラ?」ポンポン咲き、一重咲きなど 美しく多彩なバラの花形(画像4)

シングル咲きとも呼ばれる一重のバラ。‘フラウ ホレ’は純白の5弁の花がクリアな印象で、とがったつぼみもスタイリッシュ。(筆者撮影)

カップ咲きなどの花弁数の多いバラを堪能したあとで、一重のバラを目にするとそのシンプルさにはっとなることはありませんか?
人とは勝手なもので、豪華さとは真逆のタイプにもまた心が惹かれてしまうのでしょう。

もともと野生のバラは5弁の一重咲きでした。それが突然変異や交配を経て、現在のような多彩な花形に進化したのです。
ですから一重はバラの原点ともいうべき形。たった5枚の花びらで人を魅了するのもうなずける話です。

【ガーデニング】「これもバラ?」ポンポン咲き、一重咲きなど 美しく多彩なバラの花形(画像5)

バビロンシリーズは弁底にブロッチと言われる斑紋が入ることで知られます。こちらは淡いオレンジピンクの‘エリドゥ バビロン’。(筆者撮影)

現在では5~7枚ほどの少ない花弁数で、花弁が層になって重ならないタイプが一重咲きと呼ばれています。
代表的な品種に、ムタビリス、デンティベス、バレリーナ、マーメイド、アルテッシモ、のぞみ、カクテルなどがあり、どれも名花として長く愛されてきました。

最近ではなかなかお目にかかれないのが残念ですが、ミセス オークリー フィッシャーも魅力的な一重バラ。
豪華なHT達の中で静かに咲いていたイエローベージュの花色が印象に残っています。

▶️▶️こちらもどうぞ
【ガーデニング】 ローメンテナンスのバラ5選。時代は無農薬!?

ハイブリッドティーは、ガーデニングで最も人気のあるバラの系統の一つです。19世紀後半に生まれたこの系統は、花の形が美しい古典的なティーローズと丈夫なハイブリッドパーペチュアルを交配して作られました。大輪で咲き誇る花と高い香り、多彩な色合いが特徴で、シンボル的な存在感を放ちます。鉢植えや地植えはもちろん、切り花としても優れており、ガーデニング初心者からも愛されています。

詳細を見る

一重咲きとは、花びらが1列だけ並んでいるシンプルな形状の花を指します。このタイプの花はナチュラルな雰囲気や素朴な美しさが魅力で、ガーデニング初心者にも人気があります。一重咲きの典型例として、ヒマワリやコスモスなどがあります。この構造は花の中心部が目立ちやすく、虫を引き寄せやすいため、庭の受粉環境を向上させる役割も持っています。

詳細を見る

ロゼットとは、地面に葉が放射状に広がるように生える植物の葉の形を指します。タンポポが代表的な姿です。

詳細を見る

パーゴラとは、庭やテラスに設置される棚のことで、つる性植物を絡ませるために使われます。柱と、屋根の部分には横木などが添えられます。バラやクレマチス、フジなどを立体的に育てることができ、日陰をつくる涼しげな空間としても人気です。庭に奥行きや立体感を出したいときにも効果的です。

詳細を見る

花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

詳細を見る

樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

交配とは、異なる個体間で花粉を授受させ、種子を作らせることを指します。自然界では風や昆虫によって行われることが多く、人為的には望ましい性質を持った植物同士を選び、花粉を人工的に移すことで、新たな品種づくりや改良が行われます。例えば、花色や香りの強いバラや、実の大きなトマトなどは、長年の交配によって生まれたものです。家庭園芸でも、自家採種やオリジナル品種の作出を目指す際に、交配は魅力的な技術の一つです。

詳細を見る
画面トップへ移動