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【美しき日々】「僕の好意は断れないよ」その自信はどこから?ミンチョル(イ・ビョンホン)のキザ炸裂1〜8話【韓国ドラマ】

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藤岡眞澄

悪酔いしたミンジをたしなめようとして、ドリンクを浴びせられたヨンス。妹が服を汚したお詫びに、とプレゼントを差し出すが、固辞するヨンスにミンチョルが放ったひと言、「僕の好意は断れないよ」。そんな自信、どこから?という疑問も、ビョン様は吹き飛ばす。

極め付きは2話終盤。ようやく再会できたセナに荒んだ暮らしを送らせたのは自分のせい、と号泣するヨンス。ショップの入り口ドアを拭き掃除するヨンスの目からあふれる涙を、出勤してきたミンチョルがガラス越しに指でそっとぬぐう。そして、微笑みかける。こんな臆面もない究極のキザ、ビョン様でなければできません。

リュ・シウォンの演技に鳥肌が立つ、このシーン

ミンチョルにはミンジ、ヨンスにはセナ—— 他人から見たら問題児にしか見えないけれど、不憫に思う“妹”がいる似たもの者同士、通じるものがあったのだろう。

ヨンスはミンチョルの申し出を受け、美大進学を考え始めたミンジの家庭教師として豪邸に住み込むことにする。交換条件は、セナの歌手デビューへの道筋をつけること。突然の住み込みは、セナのせめてもの助けになれば、と決断したことだった。

一方、ギスギスしきった豪邸にぬくもりと笑顔をもたらすヨンスの優しい心遣いに触れたソンジェの胸にも、ヨンスへの恋心が芽生えていた。ヨンスという1人の女性を巡る兄弟バトルのスタートだ。

ある晩、家族のために心を尽くす母を見下すミンチョルの態度に、激しく抗議するソンジェ。心配したヨンスが部屋を覗くと、薄暗い光の中、キーボードを弾くソンジェがいた(5話)。

立ち尽くすヨンスに向かって、そっと手招きをするソンジェ。言葉はなくても、ヨンスが愛しくてたまらない、という一途な思いが伝わる静かな時間。リュ・シウォンの演技に鳥肌が立つ。

リュ・シウォン本人も、後のインタビュー(※)で「自分でも一番記憶に残っているシーン。今もう一度演技しろと言われても、できそうにない」と語っている。

実は、ソンジェには隠された顔があった。覆面歌手ZEROとして若者に絶大な支持を得ていたのだ。ZEROは歌手を目指すセナが愛して止まない存在。そして、新人発掘が至上命題の企画室長として、ミンチョルもZERO 捜しをしていた。こうして4人の人生の糸が絡み合った。

兄弟双方からの激しい愛の板挟みになるヨンス。暴かれるソンジェ出生の真実。セナの歌手デビューに影を落とす紆余曲折……。 

中盤以降ドラマは一気にテンポアップ。そして、寒さのあまり、演者の吐く白い息の量はボリュームアップしていく。ちなみに、イ・ジャンス監督の持論は「ラブストーリーは冬が似合う」だそうだ。

※『韓国ドラマ・ガイド 美しき日々』(2004年/日本放送協会発行)

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