記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】育てて楽しいハーブ【ナスタチウム】の栽培方法と活用アイデア2選

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

「ハーブは暮らしに役立ててこそ、楽しい!」と話すのは、長年にわたってハーブを育て、その利用法を研究してきた桐原春子さん。本連載では、毎回1種類のハーブを取り上げ、栽培方法や活用方法、歴史などを教えていただきます。今回は【ナスタチウム】です。

▼桐原春子さんの育てて楽しむハーブ生活▼
桐原春子さんの育てて楽しむハーブ生活

花も葉も食べられる【ナスタチウム】

清楚な雰囲気の花が多いハーブ類の中で、大きくて派手な花を咲かせるナスタチウム。
ガーデニングで人気ですが、花や葉はエディブルフラワーとして食用にもできます。

別名/キンレンカ(和名)、ノウゼンハレン(和名)、インディアンクレス 
科名/ノウゼンハレン科
性質/一年草 
草丈/30〜300㎝

可愛い姿でも、味はピリッと刺激的

ナスタチウムはペルー、コロンビア、ブラジルが原産で本来は多年草ですが、暑さ、寒さに弱いため一般には一年草として扱われます。

「16世紀にスペインの探検家によってヨーロッパにもたらされ、食用、薬用として利用されました。花がきれいなことから、後に園芸植物としても人気に」と桐原春子さん。

日本には19世紀半ばに渡来し、花がノウゼンカズラ、葉がハスに似ていることから凌霄葉蓮(ノウゼンハレン)の名がついたといわれます。

原種は花の後部に『(きょ)』と呼ばれる突起があり、つる性になります。園芸品種のないものが多く、草丈も短めです」

初夏から秋にかけてカラフルな花をいっぱいに咲かせ、ハーブガーデンには欠かせない存在です。ヨーロッパでも盛んに利用され、桐原さんはフランスのモネの庭で、大きなアーチの足元を覆い尽くすナスタチウムに感動したといいます。

「花、葉、つぼみが生で食べられるのもメリットです。クレソンのようなピリッとした辛みがあり、サラダやサンドイッチに加えると味のアクセントに。塩漬けにした若い果実をビネガーに漬けると、ケイパーのように使えます。食用にする場合は、無農薬栽培の苗を選んで。刺激があるので食べすぎに注意しましょう」

定期的な液肥できれいに咲かせる

栽培はやや注意が必要。温暖地では、盛夏に花は咲きにくく、秋になると再び開花します。

「液肥を与えると長い間よく花が咲きます。地植えでは冬の寒さで枯れてしまいますが、鉢植えにして室内に取り込むか、暖地であれば緩衝用のプチプチシートなどで覆って鉢ごと保護すると、冬も開花します」

吊るして飾るとより印象的

小さなハンモックにナスタチウムの鉢植えをのせ、室内の窓辺に飾ってみました。ほどよくしだれる茎が動きを生み、ハスのような丸い葉が逆光に透けてきれいです。

赤、オレンジ、黄、ピンク、紫、八重咲きなど、花色も形も多彩で、斑入り葉の種類もあります。

室内で楽しむ際は、水が垂れないよう鉢をポリ袋などで包むか、水受け皿を忘れずに。

▼【ポットマリーゴールド】の栽培方法と活用アイデア▼
>> 【ガーデニング】育てて楽しいハーブ【ポットマリーゴールド】の栽培方法と活用アイデア3選

エディブルフラワーとは、食用可能な花のことを指します。ナスタチウム、ビオラ、キンギョソウ、バラ、カレンデュラなどがあり、サラダやケーキの飾りつけに用いられます。ビタミンやポリフェノールを含むものもあり、栄養価が高い場合もあります。ただし、観賞用の花には農薬が使用されていることが多いため、食用に適したものを選ぶ必要があります。

詳細を見る

素焼き鉢とは、粘土を600~900℃で焼き上げた多孔質の鉢のことです。通気性や排水性が高く、植物の根に優しい環境を提供します。そのため、水分調整が必要な多肉植物やサボテン、観葉植物の栽培に適しています。また、自然な風合いが楽しめるため、ガーデニングや室内インテリアにも人気です。ただし、吸水性が高いため定期的な水やりが欠かせません。長期間使用する場合は、冬の凍結などで割れたり、ヒビが入ることがあります。

詳細を見る

八重咲きとは、花びらがたくさん重なって咲く花のことです。通常の花よりも華やかでボリュームがあり、豪華な印象を与えます。バラ、ダリアなど、多くの植物に八重咲きの品種があります。

詳細を見る

温暖地とは、年間を通して気温が比較的高く、冬期の降雪が少ない地域を指します。日本では西日本や太平洋側の地域が該当し、植栽スケジュールや作つけ品種の選定において、冷涼地や中間地とは異なる育成条件や病害虫対策が必要となります。

詳細を見る

斑入りとは、白や黄色、クリーム色など、本来の植物の色とは異なる色の模様が入っている状態のことを指します。斑入りの葉の植物は観賞価値が高く、花が咲かない季節でも楽しめますが、日差しが強すぎると、斑の部分が茶色く焼けてしまうことがあります。

詳細を見る

多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

詳細を見る

地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

詳細を見る

一年草とは、発芽から開花、結実、枯死までのライフサイクルを1年以内で終える植物のことです。春にタネをまいて夏から秋に花を咲かせる「春まき一年草」と、秋にタネをまいて翌春から初夏に開花する「秋まき一年草」に分類されます。代表的な春まき一年草には、ヒマワリやコスモスがあります。短期間で生長し、華やかな花を楽しめるのが特徴です。

詳細を見る

果実とは、花が受粉・受精した後に子房などの部分が変化してできる構造で、植物が種子を守りながら分布させるための重要な器官です。トマトやリンゴのように肉厚で食用になる果実もあれば、タンポポのように乾燥して風に乗るものなど、形や機能は多岐にわたります。果実の成熟過程や構造の違いは植物の分類学においても重要な手がかりとされています。

詳細を見る

品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

詳細を見る

原種とは、交配などで改良された植物の親や祖先にあたる種のことです。人間の手による品種改良や交配が行われていない、自然のままの状態で存在する野生種のことを指します。

詳細を見る

距とは、花の一部が後方に突き出て袋状になった構造で、おもに花蜜を蓄える器官として機能します。キンポウゲ科やラン科の植物に多く見られ、美しい花のフォルムを形づくる特徴の一つでもあります。距がある花は、受粉を助ける特定の昆虫との関係性が深く、観察することで自然界の仕組みへの理解も深まります。園芸品種の中でも距の形に注目すると新たな魅力が見つかるかもしれません。

詳細を見る
画面トップへ移動