生活研究家【阿部絢子さん・79歳】お金にしばられず、心豊かに暮らすコツとは?
私たちの日常は、物やサービスの値段が上がっているのに、収入や年金額はその値上げ幅ほどに増えず、暮らしは以前より大変になっています。そんな中でも自分なりの楽しみを見つけて日々を過ごしている70代の方に、楽しみ方や工夫を伺いました。今回は生活研究家の阿部絢子さんです。
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PROFILE
阿部絢子さん 79歳・生活研究家
あべ・あやこ●1945年新潟県生まれ。共立薬科大学卒業。
薬剤師としてメーカーで勤務後、消費生活アドバイザーとして百貨店で、現在は調剤薬局で勤務。
年金は5万円。たくさん働かなくてもいいけれど週4日働いています
ずっと働いてきたから何もしないとストレスに
阿部絢子さんは79歳の現在も週4日、調剤薬局で働いている。月々の年金が5万円で、53歳のときに買ったマンションの管理費が4万2500円とほぼ同額。生活費を考えると、まだまだ働けるうちは働く必要があると考えてのことだ。
70代の初めにそれまで勤務していた薬局が調剤薬局に変わることで、薬のことや保険、パソコンの操作を覚える必要に迫られたが、特にパソコンの操作が大変で、退職を決意。ぼーっとできる時間をテレビを見たりして過ごしてみたが、何もしないことがかえってストレスになってしまった。
退職の翌年に職を得て、今も働いている。
週3日は3時間半、1日だけ8時間勤務。「いっぱい働かなくていい。ある程度でいいや」と考えている。もともと新しいことが好きなので、職場では患者さんに接する楽しみがあり、もっと満足してもらえるよう、仕事の質を高めることにも夢中になっているそうだ。だから働くことは稼ぐだけが目的ではなく、自身の成長を感じられ、楽しみにもなっている。
今働いている人には、「稼ぐだけを目的にしないで」とアドバイスする。