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【食費は月1万円前後】年金5万円で暮らす紫苑さん・72歳。節約のコツは「アスリートも好むあの食材」

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池内かずこ

【食費は月1万円前後】年金5万円で暮らす紫苑さん・72歳。節約のコツは「アスリートも好むあの食材」

100均のリメイクシートでおしゃれに変身させた紫苑さんのキッチン。 「安くおいしく簡単」な健康メニューが次々と生まれています。

月5万円の年金でやりくりするには? 知恵と工夫をちりばめたセンスあふれる節約生活をつづったブログが大好評の、72歳になる紫苑さん。楽しくおしゃれな節約生活を成功させた秘訣はどこにあるのでしょう。食、おしゃれ、住まいとインテリアのコツを6回に分けてご紹介します。第1回は、食費。高たんぱく質の食材を生かした賢い節約術です。

▼紫苑さんの衣服代はほぼ0円!?▼
年金5万円でやりくりする紫苑さん・72歳。衣服費ほぼゼロ円で、こんなにおしゃれ!その秘密は?

PROFILE
紫苑さん
しおん・1951年生まれ。
地方新聞社の東京支社勤務を経て、フリーランスのライターに。コロナ禍の2020年、月5万円の年金でやりくりする暮らしをつづったブログ「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」を開設。健康によい節約レシピ、おしゃれを生み出すリメイク術などが人気を集め、新聞、雑誌、テレビなどでも話題に。著書に『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)、『72歳ひとり暮らし、「年金月5万」が教えてくれたお金との向き合いかた40』。ブログ「ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫」

年金月5万円でやるしかない、と覚悟を決めて

紫苑さんが節約生活を始めたのは、69歳のときのことでした。

「日本全国が新型コロナに見舞われた2020年の春、外出ができなくなって仕事も激減しました。そこで初めて、月にわずか5万円という自分の年金額に向き合わざるを得なくなったのです」

今でこそ、賢い節約を実践するトップランナー、ともいうべき存在の紫苑さんですが、バブルの頃は仕事がらみとはいえグルメ三昧。一時は、家賃24万円のタワマンに住んでいたこともありました。30代で離婚し、シングルマザーとして二人の子どもを育てながらも、仕事は順調で生活には困らない収入を得ていました。

その後、賃貸の公団住宅に住み替えていましたが、60歳を過ぎて、家賃に不安を感じるようになります。
「子どもたちが独立したころ、当時月々15万円だった高額な家賃をこの先払い続けていけるのか、と負担に感じるようになり、64歳で貯金をはたいてこの小さな中古の一戸建てを購入したのです。家賃の呪縛からは解放されましたが、貯金はほぼゼロになりました」

とはいえ、当時はまだ仕事があり家賃も不要になったため、切実な「節約意識」はありませんでした。
「ところが、コロナ禍で仕事が減って収入が途絶えた途端、年金は月5万円という厳しい現実から目を背けてはいられなくなりました」

正社員として勤務していたときの厚生年金は、以前は可能だった一時払いで全額受け取っていたため、残るのは国民年金のみ。
「月5万円しかないことをはっきり自覚して、5万円でやりくりするしかない! と覚悟を決めたんです」

節約の主軸は食費。月1万円と設定し、買い物は予算1000円で

熟考の末、まず、生命保険やジム通いなどの「大きな出費」を大胆にカット。
「そのうえで、1カ月5万円の配分をざっくりと決めました」
① 水道光熱費 1万円
② 通信費 1万円
③ 固定資産税や健康保険料、NHKなどの固定費 1万円
④ 医療費日用品、娯楽費など 1万円(※現在は7000円ほどにおさまっています)
合計4万円

「残る1万円を食費に設定しました。だいたい4日に1回買い物に行くとして、食費は1回につき1000円前後でやってみようと。月8回の買い物ならおおむね8000円でおさまる計算です」

1カ月で食費1万円⁉ 1回1000円⁉ そんなことができるのでしょうか?

「みなさんそうおっしゃいます。相当ハードルが高いですよね。私も当初は毎日、何作ろうと悩みつつ、やみくもに安い食材ばかり買って、1回2000円くらい使ってしまうこともしばしば。でも、2、3カ月くらいでだんだんと100均メニューの工夫が板につき、1万円の予算が余る月も出てくるようになったのです」

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