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【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方

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光武俊子

植物について調べると、ネットでも植物図鑑や事典でもよく目にするのが「科名」や「学名」、「原産地」や「形態」などなど。「これらの植物の基本情報は栽培にどう関係するの?」って疑問に思いませんか。ちょっと小難しく感じるこれらの情報が、じつは栽培の大事なヒントになっているのです。

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植物の基本情報には栽培ヒントが隠れている

植物が好きな方のなかには、植物そのものに興味がある方と植物を生かした園芸(ガーデニング)に興味のある方がいらっしゃいます。このサイトをご覧になる方はほぼ園芸のファンでしょう。園芸ファンがネットや植物図鑑で植物を調べるとき、説明の最初にある「科名」や「学名」などより、「どんな植物か、育て方のコツや注意点を早く教えて~」と思いがちでは?

じつは私が園芸に興味をもち始め、園芸の記事を書き始めたころさえ、そう思ったものです。科名や学名なんて面倒くさいものはどうだっていいじゃない!……と。けれど、科名や学名の大切さというか、知っていると栽培のヒントになるということにだんだん気づきました。

すてきな庭をつくっているガーデナーさんなどは、科名だけでその植物の特徴や育てる注意点などまで察してしまいます。ネットや図鑑、事典などで箇条書きになっているそっけない情報からも大事な栽培のヒントを読み解いてみましょう。

「科名」や「学名」からわかる仲間の存在、その特徴

植物に限らず、すべての生物は「分類」されています。例えばヒトはヒト科ヒト(Homo)属ヒト(sapiens)という種です。ヒト科にはヒト属のほかにチンパンジー属やゴリラ属があって、3つの属は似た点の多い仲間だとわかります。

例えばキク科にはもっとも多くの種がありますが、マーガーレットやヒマワリ、キクやシオンなど、花弁に見える舌状花と花芯の筒状花という小さな花がたくさん集まって1個の花に見える特徴が共通です。ほかにも日照が短くなると花芽ができる短日植物という性質を持つものも多くて、キク科の花と聞くだけでどんな花か、ある程度の想像がつきます。

また、分類によってつけられているラテン語の学名も、読みにくいし覚える気にもならないかもしれません。が、全く見た目の異なる2つの花が、同じクリスマスローズの仲間とわかったらどうでしょう? 似たような栽培環境で育ててよいのかな?というヒントになります。

【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方(画像2)

ヘレボルス・ニゲル

【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方(画像3)

ヘレボルス・フェチダス

短日植物とは、日照時間が一定時間より短くなると花芽を形成する植物を指します。​具体的には、夜の時間が長くなることで開花が促進されます。​アサガオやポインセチア、コスモスなどが代表的な短日植物です。

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多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

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原産地とは、植物がもともと自生していた地域のことで、その植物が最も自然に近い形で育つ環境条件(気温、降水量、土壌など)を知る手がかりになります。例えば、地中海沿岸原産のラベンダーは乾燥した日当たりのよい場所を好み、湿気には弱いといった具合に、原産地を知ることで栽培環境の調整や越冬管理の参考になります。園芸で植物の性格を理解するには、学名や品種だけでなく、この「原産地」への理解も大切です。

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一年草とは、発芽から開花、結実、枯死までのライフサイクルを1年以内で終える植物のことです。春にタネをまいて夏から秋に花を咲かせる「春まき一年草」と、秋にタネをまいて翌春から初夏に開花する「秋まき一年草」に分類されます。代表的な春まき一年草には、ヒマワリやコスモスがあります。短期間で生長し、華やかな花を楽しめるのが特徴です。

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花芯とは、花の中心部分に位置し、雄しべや雌しべなどの生殖器官が集まる領域を指す言葉です。特に観賞価値の高い花では、この部分の色彩や形が印象を左右します。ダリアやバラなどでは花芯の詰まり具合や形状が咲き方の美しさに関係し、園芸品種としての魅力にもなります。また、開花後の花芯の変化を観察することで、受粉や花の寿命を見極めることができます。

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花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

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球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

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学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

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低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

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