記事ランキング マンガ 連載・特集

【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方

公開日

更新日

光武俊子

「形態」や「原産地」は栽培成功への道しるべ

園芸でいう「形態」とは、一年草多年草低木かとか、常緑性か落葉性か、耐寒性があるかないかなどを簡潔に示します。冬に茎葉が枯れ落ちてしまっても、「耐寒性多年草」とか「落葉性低木」だとわかれば、死んでしまったわけではないとわかって安心です。「一年草」なら栽培期間の終わりだと諦めがつきます。

また、育てたい植物の情報に「半耐寒性」とあったら、住んでいる地域の最低気温がおおむね3~5℃以上かどうか、0℃以下になる日はほとんどないかが栽培の決め手になります。もちろん0℃を下回る日には屋内に取り込めたらOK! そういう必要のある植物だと判断できます。ちなみに「耐寒性」なら0℃以下でも大丈夫です。

日本にはいまや世界中の植物が集まっています。環境が大きく異なる場所に自生する植物も多いため、それぞれに適した栽培環境を整えなくてはなりません。育てる場所の気温や日当たり具合、水やりの頻度などなどが関係します。「原産地」の情報は、植物を育てるうえでとても重要です。

【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方(画像4)

冬は日が当たり夏は日陰になる落葉樹林に自生するクリスマスローズ

「原産地」を知れば、水やりの失敗ゼロに!

世界の気候は熱帯、温帯、寒帯という3つの気候帯に分かれます。さらに気温や降水量によって熱帯、乾燥帯、温帯、冷帯、寒帯という5つにわかれ、さらに細かく熱帯雨林気候やサバンナ気候、砂漠気候や地中海性気候などにわかれます。

そこで、植物の原産地がどの気候帯に属するか知ることで、植物の好む環境がわかるわけです。日本原産の植物なら日本の気候で育てやすいから安心。それでも南北に長い日本列島なので、沖縄や北海道などを一概には言えません。

とくに注意が必要なのはイタリアやポルトガルなど、地中海性気候の原産地です。気温は温暖ですが、日本の太平洋側とは反対に夏は雨が少ないため、梅雨や夏の高温多湿を苦手にします。オリーブやラベンダー、ローズマリーやアカンサスなどの水やりについて、気をつけるポイントです。

【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方(画像5)

地中海性気候のオリーブ畑

同じように乾燥地帯ですが、夏は40℃を越える暑さで冬はマイナス20℃という寒暖差がある大陸性気候のトルコ。トルコ原産といえばチューリップをはじめとして、アネモネやヒアシンス、サフランなどの球根植物があります。これらは暑さ寒さには強いものの、やはり高温多湿に注意が必要だとわかります。

【ガーデニング】知ってる?植物の「科名」や「学名」で栽培のコツがわかる【植物の基本情報】の読み方(画像6)

野原に咲く野性のチューリップ

ご紹介したのはほんの一例なので、ほかにも熱帯雨林気候や高山気候などの植物もさまざまに流通しています。目新しい植物を育てたいと思ったら、ぜひその原産地から気候を調べて、栽培の参考にしてみましょう。栽培の腕前が上がること間違いなしです!

▼あわせて読みたい▼

>>【ガーデニング】寒さの中で咲き続けるパンジー&ビオラ 春には大株に! >>【ガーデニング】華やかな鉢植えを楽しむ。冬の花おすすすめ【7選】 >>【ガーデニング】年末年始を飾る花【7選】クリスマスもお正月も、庭や玄関先を華やかに!

短日植物とは、日照時間が一定時間より短くなると花芽を形成する植物を指します。​具体的には、夜の時間が長くなることで開花が促進されます。​アサガオやポインセチア、コスモスなどが代表的な短日植物です。

詳細を見る

多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

詳細を見る

原産地とは、植物がもともと自生していた地域のことで、その植物が最も自然に近い形で育つ環境条件(気温、降水量、土壌など)を知る手がかりになります。例えば、地中海沿岸原産のラベンダーは乾燥した日当たりのよい場所を好み、湿気には弱いといった具合に、原産地を知ることで栽培環境の調整や越冬管理の参考になります。園芸で植物の性格を理解するには、学名や品種だけでなく、この「原産地」への理解も大切です。

詳細を見る

一年草とは、発芽から開花、結実、枯死までのライフサイクルを1年以内で終える植物のことです。春にタネをまいて夏から秋に花を咲かせる「春まき一年草」と、秋にタネをまいて翌春から初夏に開花する「秋まき一年草」に分類されます。代表的な春まき一年草には、ヒマワリやコスモスがあります。短期間で生長し、華やかな花を楽しめるのが特徴です。

詳細を見る

花芯とは、花の中心部分に位置し、雄しべや雌しべなどの生殖器官が集まる領域を指す言葉です。特に観賞価値の高い花では、この部分の色彩や形が印象を左右します。ダリアやバラなどでは花芯の詰まり具合や形状が咲き方の美しさに関係し、園芸品種としての魅力にもなります。また、開花後の花芯の変化を観察することで、受粉や花の寿命を見極めることができます。

詳細を見る

花弁とは、一般に「花びら」と呼ばれる部分で、花の中でも最も視覚的に目立つ構造です。昆虫を引き寄せるための鮮やかな色や形、香りを備えており、園芸植物ではこの花弁の特徴が観賞価値に直結します。八重咲きや一重咲きの違いも花弁の枚数に関係しており、育種や品種改良ではこの部分の改良が重点的に行われます。雨や暑さで傷みやすいため、花弁の丈夫さもガーデナーには重要なポイントです。

詳細を見る

球根とは、植物の栄養を蓄えた地下の器官で、翌年の発芽や開花に必要なエネルギーを蓄える役割を持ちます。チューリップやヒヤシンス、ユリなどが代表的な球根植物で、秋に植えて春に咲く秋植え球根、春に植えて夏に咲く春植え球根などに分類されます。球根は植え方や植えつけ時期、水はけのよい土などの条件を整えることで、毎年美しい花を咲かせることができます。

詳細を見る

学名とは、植物や動物を世界共通で呼ぶために使われるラテン語などによる正式な名称で、属名と種小名の組み合わせから成ります。例えばバラの学名は「Rosa hybrida」で、学術的な識別や国際的な情報交換に不可欠です。和名や英名と異なり、学名は重複や誤認が少なく、分類体系に基づいた整理が行われています。

詳細を見る

低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

詳細を見る
画面トップへ移動