【SUPER EIGHT 丸山隆平さん】「舞台で生まれる一瞬の奇跡。それをお客さんと感じたい」
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ゆうゆう編集部
舞台で生まれる一瞬の奇跡。それをお客さんと感じたい
自身と似ているところはあるかと尋ねると、「ダメでしょう! あんなだらしないのと似ていたらダメでしょ(笑)」と即答する。いや、でも「正義の味方」ですよね。「それで言うたら、そこだけ似てないかもしれない。僕やったらすぐに危険から逃げ出しますもん(笑)」
こんな冗談の出る余裕が頼もしい。
「舞台って『昨日の笑いを追いかけてはいけない』というセオリーのとおり、日によってお客さんの温度も反応も違う。その中で、何か一瞬の奇跡のようなことが起こったりもするんです。それがやはり魅力。その緊張感、高揚感を感じながら、毎日違う『正解』をお客さんと一緒につくり上げていきたいですね」
若い頃から主役を務めてきた。最初から約束されたポジションは、キャリアを築くには願ってもないものであった一方、役者として歩んでいる実感もなかなか得にくかったと言う。
「40代に入ってからですよね、社会人としてスタッフと向き合ったり、相談させてもらったりということができるようになったのは。これも年齢的にちょうどいいのかもしれません。でも、それをいい巡り合わせにするか否かも、今回の作品を自分が勤め上げられるかどうかにかかっている。実は、僕は座長としてはワーッと盛り上げられるタイプではないんです。でも作品のひとつのネジとしてしっかり自分の役割を果たすことで、みんなとひとつになっていけたらいいなと。そこを目指します」
8人それぞれがいい形で迎えられた20周年
グループの活動も昨年20周年を迎え、グループ名も新たに、次の時代に向けて歩み始めた。
「いい形で20周年を迎えられたんじゃないかなと思いますね。独立したメンバーの動向を見ていても、それぞれに活動の場が広がっていて、みんながすごくいい感じで進んでいるのを実感できる。(渋谷)すばるくんも『龍が如く』に出てたしね。(錦戸)亮ちゃんの『不適切にもほどがある!』は僕も楽しみに見せてもらい、内(博貴)くんは舞台で活躍。とてもいい空気感で8人そろって、いい20周年を迎えられたのかなと思います」
とはいえ、ここに至るまでの道のりは決して平坦ではなかったはずだ。それでも続けてこられた、その最大の原動力は何なのだろう。
「チームで定期的に話をしてきたのは大事なことだったのかなと思います。特にコロナ禍以降はより密に話し合った。そうしたチームの助け合いは大きかったと思いますね。でも東京スカパラダイスオーケストラの皆さんは35年でしょう? そう考えるとまだまだ。先輩たちに秘訣を聞きたいです(笑)」
40代に入り自身の道が明確になってきたところで、さらにマルチな活動も期待できそうな丸山さんだが、これから目指すところは何だろう。
「なんかええ感じに行けたらいいですね(笑)。ええ感じに周りの人の助けにしっかり応えながら、仕事にも人とも丁寧に向き合える。そういう優しくて強い人間になる。ホント自分に甘くて人に厳しい困ったヤツなんで(笑)、少しずつでも有言実行で改めていく。それが目標かな」
【INFORMATION】松竹創業130周年・新橋演舞場100周年記念作品『浪人街』
幕末の江戸を舞台に浪人の世界を描いた不朽の名作。集団殺陣はもちろんのこと、オリジナル映画版よりもさらに浪人それぞれにフォーカス。各人が抱えるものや感情の機微をより丁寧に描き、人間ドラマとしての面白さを舞台に詰め込んでいる。人情、欲望、裏切りなど、時代劇らしさと新たな視点がまざり合う、新時代エンターテインメント時代劇。
●原作/山上伊太郎
●出演/丸山隆平、玄理、入野自由、藤野涼子、入江甚儀、佐藤 誓、矢柴俊博、神保悟志、板尾創路 他
●製作/松竹株式会社、東京グローブ座
●公演日程
【東京公演】2月20日(木)~3月16日(日) 新橋演舞場
【大阪公演】3月21日(金)~28日(金) 御園座
【京都公演】4月2日(水)~10日(木) 南座
※この記事は「ゆうゆう」2025年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。
撮影/中村彰男
スタイリング/釘宮一彰(hoth inc.)
ヘア&メイク/林 摩規子
取材・文/志賀佳織
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