【90代・樋口恵子さん】が推奨する「年齢を重ねたら、文化系より体育会系」そのワケとは?
90代の評論家 樋口恵子さん。これまで、楽しみは明らかに「文化系」の資質でしたが、最近は「体育会系」にシフトしているそうです。話題の書籍『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』から、樋口さんの日常を教えていただきます。
▼※2023年10月16日に配信した記事を再編集しています。▼
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年齢を重ねたら、文化系より体育会系
私の個人的資質からいうと、私の娯楽・レクリエーション・息抜きは明らかに文化系です。
子どもの頃からピアノを習い、音楽のサークルに所属。高校時代は新聞部に属して、本を読んだり、演劇などを観たり、ずっと文化系で過ごしてきました。
でも、年齢を重ねるにつれ、演劇でも音楽でも「出かけて観る・聴く」ことには定年があるということがわかりました。出かける能力・体力がなくなると、これらの文化系活動はできなくなるのです。
私がそうした文化系の楽しみを享受していられたのは、非常にマメで気配りがよく、きっぷのよいお姉さまがいらっしゃったからでした。
ところがある日、肝心のお姉さま自身が「私、一幕一場がもたなくなっちゃったのよね」とおっしゃいました。お手洗いです。
あるときは急いでトイレの順番を待とうとして、転びそうになったとのこと。「これはもう出かけられない」ということになりました。
私も、芸術鑑賞の帰りにタクシーを確保するのに苦労した経験があります。どこかに出かけていって観る・聴くということには、やはり限界があるなあと思いました。
私の今の生活はというと、お金も時間もかなり体育会系にシフトしています。まあ、言葉をかえれば「リハビリ」なのですけれど。
1週間〜10 日に1回、なるべく月に3回は体を動かすようにしています。1回1時間、リハビリ体操の個別指導を受けているのです。
このリハビリをすると血の巡りがよくなるような気がします。体操後は助手からも「顔色がよくなったわね」と言われるんですよ。
文化系を好む方の邪魔をする気はさらさらありませんが、長らく生きてまいりましてつくづく思うことは、年齢を重ねるほど生活の中に、体育会系の要素を増やしていったほうがいいんじゃなかろうか、ということです。体って、いのちの器ですものね。
91歳の私が声を大にして推奨いたします。
なるべく自力で歩く
普段、自力で歩いているので「高齢社会をよくする女性の会」の全国大会で、立って挨拶できました。
猫を愛する
樋口家には猫が欠かせません。ダン、ピー、タヌキ、ジャスティ......。家族の一員として、長年愛してきました。私が執筆中に広げた、資料の上にどーんと座るのも、「お猫さま」らしくて、かわいいです。猫かわいがりする=深い愛情を注ぐ対象がいることは、脳の健康にもよさそうです。
書籍紹介 『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』
樋口恵子著
主婦の友社刊
詳細はこちら
老いのトップランナー・91歳の評論家 樋口恵子さんの痛快エッセイ。ボケるのが怖い人、老後の暮らしを心配している人、まだまだ夢をもって超高齢期を迎えたい人、親や祖父母世代が認知症になったらどうしようと悩む若い人、どんな世代にでも、男女差なく読んでいただきたい本です。社会学者・上野千鶴子さんとの「貧乏ばあさんの生きる道対談」、脳科学者・瀧靖之さんとの「ボケにくい!健脳対談」も収録。巻頭グラビアでは「91歳が安心して住める家実例」を紹介。
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※この記事は『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』樋口恵子著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
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