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坂口安吾の『新らしき性格感情』あらすじ紹介。人間存在の核心に迫る挑戦的な文学作品
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更新日
ゆうゆうtime編集部
坂口安吾の『新らしき性格感情』は、独自の環境下で育つロシアの若い世代の人間性に迫りつつ、「死」や「感情」の根源的な問いを投げかける文学作品です。この斬新なテーマに、私たちも胸がざわめかずにはいられません!
ロシアの若者に見る変化と現実
坂口安吾の『新らしき性格感情』は、ロシアの若い世代に注目したエレンブルグの報告書から物語がはじまります。この報告書では、学生たちが給与を得て学び、その収入で家族を支えるという独自の社会の中で育った彼らの姿が描かれています。しかし、筆者はその内容に失望。なぜなら、その性格も感情も、私たちと大差がなく、人間の「根本」は変わっていないように感じられるからです。嫉妬や愛情といった動物感情はどんな制度の下でも消えることがないとの認識が多かったのです。
動物感情と社会感情、その衝突
報告書の中である学生は、「動物感情」と「社会感情」という二つの感情について語ります。動物感情とは愛情や嫉妬といった本能的なもの、対して社会感情とは理性の延長上にあるものとされています。学生は動物感情が徐々に消えて、全て理性による行動が支配するようになる社会を描きます。これには筆者も一概には否定せずとも、無条件に賛同するでもなく、人間の感情の複雑さを考えるきっかけとするのです。
「死」が果たす役割とは
さらに深いテーマとして、この作品で描かれるのは「死」の存在意義です。筆者は、動物感情を超越する可能性は「死」が完全に排除された世界でのみ可能かもしれないと指摘します。人間にとって「死」は避けられないものですが、それこそが文化や感情の複雑さ、さらには生活に彩りを与える要因であると語られます。完全なる制度が完成しても、「死」という存在がある限り、人間はその枠組みを超え、解きがたい存在であり続けると著者は強調しています。
文学を通じた「実験」の試み
また、「文学とは実験でなくてはならない」という著者自身の視点も印象的です。自らを「実験台」に据えて、人間の感情や死をテーマに「テスト氏」を登場させ、深く考察を続けると述べています。物語としての解決を求めるのではなく、「問い続けること」こそが文学に求められる役割であると、この作品は私たちに伝えます。
まとめ
坂口安吾の『新らしき性格感情』は、感情、理性、死という人間存在の核心に迫る挑戦的な文学作品です。「社会感情」と「動物感情」の対立を通じて、変革の時代でも普遍的に残る人間の本質や、「死」が生活や文化に果たす深い影響を浮き彫りにします。そして、答えを出すことではなく、問い続けること、探求し続ける姿勢が文学の本質であるという、新しい視座を私たちに提示しているのです。この作品を読むことで、人間の感情や生死について新たな視点を持つことができるでしょう。挑戦的で深遠なテーマをぜひお楽しみください!
新らしき性格感情
坂口安吾(著)
青空文庫(刊)
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