「社長、安ぅ〜い!」あの通販CMで注目の【夢グループ・石田社長】意外すぎる成功の要因とは? 現在の橋幸夫さんとの向き合い方は?
公開日
更新日
恩田貴子
哀しみを越えてつながる縁。新しい風、ZEROとの出会い
20年の歩みは、輝かしい出会いばかりではなかった。松方弘樹、葛城ユキ……。ともに歩んできたかけがえのない仲間たちとの別れも数多く経験してきた。だからこそ、今ある縁を何より大切にしたいという思いが、「夢グループ」の経営方針にも色濃く反映されている。
「新しいものを求めるのは、ビジネスのうえでは当たり前のこと。でも僕は昭和の人間ですし、昭和の時代の売り方と、昭和の方々とのおつき合いで十分。これまで僕と出会い、『夢グループ』に所属してくださった歌手のみなさんと、これからも一緒にやっていきたいと思っています」
そんな石田社長が出会い、新たな関係を大切に育んできたのが、韓国出身の歌手、ZERO(ゼロ)さん。石田社長曰く、「聴くと鳥肌が立つ」という歌声と、誠実でチャーミングな人柄が魅力のZEROさんとの出会いは、夢グループに新たな風を吹き込み、今後の活動にさらなる彩りを加えてくれる存在となるに違いない。
古きよきものを大切にしながらも、信じた縁を長く育んでいく。その姿勢は、この後登場するZEROさんのインタビューからも、きっと感じ取れるはずだ。
歌手・橋幸夫との絆。見守ることで、自分も成長できる
そして今、石田社長は新たな形で、一人の大スターと向き合っている。先日、アルツハイマー型認知症であることを公表した、歌手の橋幸夫さんだ。石田社長は、橋さんを公私にわたって支えている。だが、その関係は一方的な支援ではない。
「橋さんの芸能活動については、本人の自主性を何よりも尊重しています。橋さんに対して、『こうしてほしい』という気持ちは、僕はまったく持っていないんです。それを思ってしまった時点で、うまくいかなければ腹が立つじゃないですか。『なんでやってくれないのか』と」
だからこそ、強制しない。ただ、見守る。橋幸夫という人間が、これからどういう行動をするのか。それを見させてもらうこと自体が、自身の学びになるのだという。
「今後どういう行動をされるのかを見守りながら、橋さんの気持ちに寄り添い、その行動に合わせることができる自分になりたい。イニシアチブを取るのは橋さんです。だから本人が土俵に上がってこなければ、それで終わり。土俵に上がってくれれば、その土俵を精一杯つとめさせてもらう。僕はそういう思いでいます」
