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「社長、安ぅ〜い!」あの通販CMで注目の【夢グループ・石田社長】意外すぎる成功の要因とは? 現在の橋幸夫さんとの向き合い方は?

夢グループのこれから。「お客さまが元気でいてくれることが一番」

往年の大スターたちがヒット曲を歌い継ぐ「夢コンサート」は、夢グループのコンサート事業の柱となっている。現在は、創立20周年を記念したスペシャル公演が全国で開催され、青春時代を彩ったスターたちの歌声を楽しむ観客でにぎわっている。

特筆すべきは、シニア世代から寄せられる圧倒的な共感だ。懐かしい歌声に涙し、同世代のスターたちと“今”を生きる喜びを分かち合う姿は、コンサートという枠を超えて、人生を肯定するかけがえのないひとときとなっている。

そんな中、石田社長はこれからの歩みを、静かに、そして確かに見据えている。

「昭和の名曲を次の世代に引き継いでいくことは、これからも変わらない僕らの使命だと思っています。ただ、『夢コンサート』の出演者も、お客さまもみんな年を取っていく。そうなると、歌い手だけが元気でもダメなんですよね。お客さまが元気でないと、コンサートの会場に来ていただけませんから。じゃあ、元気の素ってなんだろうって考えると、『すごい!』『素敵!』っていう感動じゃないかなと思うんです。それは歌だけじゃなく、人との出会いからも生まれる。それこそが、橋さんのような存在なんじゃないかと思っています」

この20年で仕事への向き合い方も変わってきた。

「これまでは、プロダクションの仕事も通販の仕事も、全部自分で考えて道を作ってきました。でも今は、さまざまな方面からオファーをいただくことが増えて。オファーを出す側から、立場が逆転したわけです。おもしろいですよ。『自分はこういうこともできるんだな』という、新しい発見もあったりして」

保科有里さんとのコンビで活動するうちに、ファン層は子どもからお年寄りまで、驚くほど広がった。それは、石田社長自身が「描いていなかった」未来だという。

「ゲストとして呼んでいただいたイベントに行くと、僕と保科さんに会いたいと、小さなお子さんからお年寄りまで、たくさんの方が待っていてくださるんです。よく見るとみなさん、僕らが他の企業さまとのコラボで発売した、バッジやTシャツなんかを身に着けているんですよ。この未来は、僕の中では描けていなかったなぁ(笑)」

「社長、安ぅ〜い!」あの通販CMで注目の【夢グループ・石田社長】意外すぎる成功の要因とは?  現在の橋幸夫さんとの向き合い方は?(画像7)

保科有里さん(「夢グループ20周年記念コンサート」より)。

「年上の方を大事にするのは当たり前」という原点

夢グループのコンサートが、なぜシニア世代の心に響くのか、その理由をたずねると、そこには石田社長の人生観そのものが映し出されていた。

「お父ちゃん、お母ちゃんがいて自分がいる。だから、自分より年上の方を大事にするのは当たり前。その気持ちが、コンサートにも入っているんだと思います」

その温かい想いが、夢コンサートの会場をいつもやさしい空気で満たしているのだろう。

期待されなかった船出から20年。石田社長と夢グループの物語は、まだまだ終わらない。人との出会いを宝物に、これからも私たちにたくさんの「夢」と元気を届けてくれるに違いない。

「社長、安ぅ〜い!」あの通販CMで注目の【夢グループ・石田社長】意外すぎる成功の要因とは?  現在の橋幸夫さんとの向き合い方は?(画像8)

コンサートでは司会も務めている(「夢グループ20周年記念コンサート」より)。

撮影/園田昭彦

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