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「社長、安ぅ〜い!」あの通販CMで注目の【夢グループ・石田社長】意外すぎる成功の要因とは? 現在の橋幸夫さんとの向き合い方は?

「このシーデー、なんと2枚組!」「特典のデーブイデーもついてきます!」…インパクト大なCMでおなじみの夢グループ社長・石田重廣(しげひろ)さん。ここでは石田社長に、自身と夢グループの歩み、そして、5月にアルツハイマー型認知症であることを公表した橋幸夫さんについても、お話を伺いました。

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PROFILE
石田重廣さん 「夢グループ」代表取締役社長、歌手

いしだ・しげひろ●1958年、福島県生まれ。
19歳で上京し大学進学を目指すが、受験料を友人に盗まれ、大学受験をあきらめる。
いくつかのアルバイトを経験するがいずれも長く続かず、自ら広告会社を起業。30代で輸入・通販会社を設立する。
2003年に芸能事務所「あずさ2号」を立ち上げ、2006年より社名を「夢グループ」に変更。
通信販売事業を中心に、芸能プロダクション、コンサートの企画、運営など、多岐にわたる事業を展開するかたわら、自身も歌手として活動中。

「このシーデー、なんと2枚組!」「特典のデーブイデーもついてきます!」

自社の通販CMでの独特な口調と朴訥としたキャラクターで、一躍お茶の間の人気者になった「夢グループ」石田重廣社長。CMで共演する同社所属の歌手、保科有里(ほしなゆり)さんとのゆるい掛け合いも、クセになると評判だ。だが石田社長が率いる「夢グループ」が、狩人をはじめ、往年の大スターが在籍する芸能プロダクションであり、設立20周年を迎えたことを知る人は、まだ多くないかもしれない。

自らを「田舎っぺ」と笑う石田社長は、いかにして芸能界で地盤を築き、多くのファンの心をつかんできたのか。そこには、逆境を笑い飛ばす力強さと、人との縁を何よりも大切にする一本筋の通った哲学があった。

「どうせ2、3年で解散する」その言葉が、プレッシャーから解放してくれた

「夢グループ」の始まりは、今から約20年前。当時、通販会社を経営していた石田社長が仕事の関係者から人気デュオ「狩人」を紹介され、芸能プロダクション「有限会社あずさ2号」を設立したのが第一歩だった。しかし、その船出は決して順風満帆ではなかったという。

「僕は田舎っぺで、芸能界にコネのひとつもなかったもんですから、芸能プロダクションの社長なんてできっこないだろうと周囲の人には思われていたんです。メジャーな狩人の二人が所属していたって、社長はど素人。きっと3年も経たないうちに解散するだろうと、ウワサされていたようです」

周囲からの冷ややかな視線。それは普通ならば重圧になるはずだ。しかし、石田社長の捉え方は違っていた。

「期待されてないって、実は楽なんですよ。もし失敗しても『やっぱりね』ですむわけですから。自分にとっては、プレッシャーがなくなって『やった!』って気持ちでした(笑)」

期待もされない、知り合いもいない。一見、マイナスな状況ですら味方につけ、石田社長は道を切り開いていく。

テレビ業界に人脈がないなら、他の場所で仕事を作ればいいと、通販事業のノウハウを生かして、全国のホテルなどにDMを送付。ディナーショーやイベントの仕事を獲得していった。石田社長と狩人がともに歩み始めてから一年後、狩人の仕事の本数は100倍近くに増えたという。

狩人

狩人の加藤久仁彦(くにひこ)さん、高道(たかみち)さん(2025年6月4日「夢グループ20周年記念コンサート」より)。

大スターたちが次々と集った理由

2006年には、三善英史(みよしえいじ)さんが合流。社名を「夢グループ」と改めると、チェリッシュ、千昌夫、松方弘樹といった、錚々たるスターたちが次々と同社の門を叩いた。

なぜ、ど素人の社長が、大物たちの心を掴むことができたのか。その答えは、石田社長らしい、実直なものだった。

「大変失礼な話なんだけど、僕ね、どの方がスターなのか、まったく知らなかったんです。ちっちゃいころから野球をやっていたから、野球界ならどの人がすごい選手かわかるけど、歌手の方はわからなくて。そんな考えなもんですから、どんな方だろうと、僕は自分のありのままの言葉で話をするんです。大スターに対して、そんな態度をとるヤツなんていないでしょう? だからみなさん、びっくりしたんじゃないかな。『なんだ、この石田っていう男は。こんな気さくに話しかけて、俺を誰だと思ってるんだ!』と(笑)。それが新鮮だったのかもしれませんね」

肩書や名声に惑わされず、ただ一人の人間として向き合う。その裏表のない姿勢こそが、スターたちの心を解きほぐし、深い信頼関係を築く礎となったのだろう。

三善英史

三善英史さん(2025年6月4日「夢グループ20周年記念コンサート」より)。

チェリッシュ

チェリッシュの松﨑好孝さん、悦子さん(「夢グループ20周年記念コンサート」より)。

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