お金のプロが語る【相続の真実】50代・60代から始める「想い」を託すための準備とは?
誰もがいつか向き合う「相続」のこと。けれど、「まだ先の話」「うちは大丈夫」と、つい後回しにしてしまっていませんか?実は、相続には“準備”こそが一番の思いやり。今回は、元銀行員で、現在は1級ファイナンシャルプランニング技能士として独立し、相続分野のサポートも行っている土方朋(ひじかた・とも)さんに「相続の本質」をおうかがいしました。
PROFILE
土方朋(ひじかたとも)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
2008年三井住友銀行入行
2021年三井住友銀行退職
2022年準備期間を経て、AMI FINANCIAL DESIGNを設立
銀行員時代に感じた、もどかしさ
土方さんがキャリアをスタートさせたのは、大手銀行。さまざまな業務を経験するなかで、特に心を動かされたのが「相続関連」の仕事だったといいます。
「銀行では5年おきに転勤があるので、どうしても長くお客様と関わることが難しくなってしまうんです。相続って、完了までに時間がかかりますし、家族構成やライフスタイルも年々変化していくもの。最初から最後まで寄り添いたいと思っても、途中で離れざるを得ないことに、いつももどかしさを感じていました」その“続けられなさ”への葛藤が、やがて「独立して、責任を持って最後までサポートしたい」という想いへと変わっていったのです。
土方さんが「相続」の道に深く進むきっかけとなったのはあるご夫婦でした。
「お子さんも兄弟姉妹も親もいらっしゃらないご夫婦で、ご主人が『妻が一人になっても困らないように、自分の家系の親族が支えていけるようにしたい』と、遺言作成のご相談に来られました。その場でご夫婦が“本音”で向き合い、奥様が涙を流された姿を今でも覚えています」
そのとき初めて、「相続とは、人の人生に深く関わる仕事なのだ」と、心の底から実感したといいます。
「銀行の窓口って、本来は“手続き”で終わってしまうことが多いんです。でもあの時、『あなたにお願いしてよかった』と感謝の言葉をいただいて。私にとって、その瞬間が“この仕事に誇りを持てた”原点でした」
相続は、「お金の問題」ではなく、「想いの整理」
「相続というと、“お金の分け方”ばかりが注目されがちですが、本質は“大切な人への想いをどう遺すか”なんです」
誰に、どんな想いを託し、どう受け継いでもらいたいか。そこには、“自分らしい人生のしめくくり”がにじみ出る——
だからこそ、土方さんのサポートは、ただの手続き代行では終わりません。
相談者の背景を丁寧に聴き取り、ときには家族の対話を促しながら、“その人らしい相続”を共につくりあげていく。「その方らしい人生の最終章」に、静かに寄り添うのが、土方さんのスタイルです。
「ハッピーな相続」は、もっと前向きにできる
現在は個人事務所を立ち上げ、セミナーや執筆を通して、「相続=もめるもの」というイメージを少しずつ変える活動にも取り組んでいます。
「特に50代、60代の方にこそ、“相続は自分の問題でもある”という意識を持ってほしいんです。親のこと、自分のこと、そして子どものこと。みんな、いつかは向き合うテーマだからこそ、元気な今のうちに“備えること”が大切です」
“もめない相続”は、話し合うこと・学ぶことから始まります。
それは家族の未来に「安心」を贈る、大人のやさしさなのかもしれません。
「私の仕事は、“人生の仕上げを、自分の言葉で語るお手伝い”なんです。
相続は、人生の延長線上にある大切なステップ。
“幸せを遺す”という視点で、前向きに準備を始めてみてほしいですね」
そう語る土方さんのまっすぐな言葉には、過去のご相談者との時間と信頼が、そっとにじんでいるようでした。
「相続は、思いやりのリレー」その言葉に込められた信念とは?
「遺言って、財産だけでなく、その人の人生や価値観、家族への感謝を込められるもの。私は“ありがとう”で終われる相続を一緒につくっていきたいんです」
もめごとを防ぐためではなく、大切な人たちが未来に進むための準備。それが、土方さんの考える“本来の相続のあり方”です。相続という言葉に重さを感じるのではなく、それを通して誰かを想うことの大切さにも気づくことができるんですね。
「妻が一人になっても困らないように」
その一言に込められたのは、未来のパートナーへの深い愛情でした。そして、その“想い”をかたちにするお手伝いをするのが、土方さんの仕事です。
相続というと「お金の話」「難しそう」と構えてしまいがちですが、土方さんの言葉を聞いていると、それが本来、“家族を想う行為”なのだと気づかされます。
家族が、安心して次の人生のステージに進めるように——その準備は、今このときから始められるのです。
「相続は、思いやりのリレーです」
一人の銀行員としての違和感からスタートした道が、今や多くの人の“人生のしめくくり”に寄り添う仕事へとつながっています。“争わない相続”のために、まずは“話すこと”“知ること”から。土方さんのまっすぐな姿勢からは、私たち自身の“これから”を考えるヒントが詰まっています。
直接お話できる無料イベントを開催します!
相続というと揉める、辛い、避けたいなと思う方もいらっしゃたと思いますが、土方さんなら、そのモヤモヤを解決して、一つずつ進んでいくことができます。ぜひ土方さんに直接会って相談してみたいと思った方のためにスペシャル企画を開催いたします。
「相続の基本5つのステップセミナー」詳細は下記をチェック!
開催日程:2025年8月26日(火)13:00〜14:00
開催場所:主婦の友社(東京都品川区上大崎3-1-1目黒セントラルスクエア内)定員50名 ※最低催行人数5名
講師:1級ファイナンシャルプランニング技能士 土方朋さん
参加費:無料
※お申し込み多数の場合は抽選となる場合がございます。
※お申し込み後、事務局より3営業日以内にご連絡差し上げます。
「相続は、思いやりのリレー」と語る土方朋さんが直接相続の基礎を教えてくれるセミナーです。主婦の友社とニッポン放送「生活の窓口」の協業で行います。相続という人生の大きな課題に、少しでも多くの方に参加いただきたいという思いで、出版社とラジオ局がともに連携して企画いたしました。ぜひ、この機会をお見逃しなく!
<セミナー参加後は土方さんによる個別相談会も実施>
開催日程:2025年9月4日(木)・5日(金)
①10:00 ②11:30 ③13:30 ④15:00
開催場所:ニッポン放送(東京都有楽町) 生活の窓口
※個別相談は事前予約制ですので8月26日実施の本セミナー終了後にご案内いたします。
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