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お金のプロが語る「相続でもめる家族の傾向は…」【もめない相続】のための5つのステップも

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ゆうゆうtime編集部

相続問題はきちんと向き合わないといけないのに、なかなか直面できない問題の一つ。実は、相続は“資産の多さ”よりも、“準備と配慮の有無”で決まるそう。「うちは関係ない」は大間違いです。今回も、元銀行員で、現在は1級ファイナンシャルプランニング技能士として独立し、相続分野のサポートも行っている土方朋(ひじかた・とも)さんに「もめない相続」のコツをおうかがいしました。

▼前回のお話を読む▼

>>お金のプロが教える【相続の真実】50代・60代から始める「想い」を託すための準備とは?

PROFILE
土方朋(ひじかたとも)/1級ファイナンシャルプランニング技能士
2008年三井住友銀行入行
2021年三井住友銀行退職
2022年準備期間を経て、AMI FINANCIAL DESIGNを設立

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一次相続と二次相続、どちらでもめる?

「もめごとが起きるのは、“お金のある家”だけじゃありません。むしろ5000万円未満の家庭のほうが、不動産の分け方などで揉めやすい傾向があります」と土方さん。
特に注意すべきは、「二次相続」です。たとえば、父が亡くなった後に母が亡くなり、子どもたちだけが相続人になったケース。このときに発生しやすいのが、“兄弟間の不公平感”です。
「たとえば、長男が親と同居していたから“実家を相続する”ことになると、次男や長女が“自分は何をもらえるの?”と不満を抱いてしまうことがあります。現預金で均等に補えればいいのですが、不動産の評価は『相続税評価額』と『時価』でズレるため、分け方が複雑なんです」

「親がいなくなって“調整役”がいない状況で、兄弟だけの話し合いになると、感情のすれ違いがそのまま対立になってしまうこともあります。相続準備をしていなかったことで、“本来ならもめなくて済んだのに”という事例を、何度も見てきました」と土方さん。
たとえば、通帳や不動産の情報が整理されておらず、何がどこにあるか家族も知らない。保険に加入していたのかどうかすら分からない。また、遺言書がなかったことで“法定通り”の分配となり、「あの人は本当にこういう分け方を望んでいたの?」と、家族間に不信感が生まれてしまう結果に。

「相続って、意外とやることが多いんです。税金のこと、財産の評価の仕方、遺産分割協議書の作成、不動産の名義変更……。だからこそ、“元気なうち”に一つずつ整理しておくことが、一番の思いやりです」

家族が揉めないために、まず必要なのは“見える化”

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土方さんが繰り返し強調するのは、「相続において大切なのは、まず“情報の整理”」ということ。
「よく、『通帳どこにあるか分からない』『保険に入っていたかどうかも不明』というケースがあります。でも、資産情報が分からなければ、手続きは進められませんし、誰が何を相続するかも判断できません」
では、どんな情報を整理すればいいのでしょうか?

「相続対策を進める5つのステップ」とは?

相続は「いきなり遺言を書くもの」と思われがちですが、その前の整理こそ大事だそう。そこで、誰でもできる相続の基本5つのステップをご紹介します。

ステップ①:資産一覧作成

まずは、「何がどれだけあるのか」を紙に書き出すこと。
預貯金、不動産、証券、保険、ローンなど、通帳や書類を元にリストアップするだけでも、大きな前進になります。

ステップ②:配分検討・想いの整理

「誰に何をどう渡したいか」を考える。
ここで大切なのは、“法律上の分け方”だけでなく、“自分の想い”を整理すること。
「親の介護をしてくれた娘に多めに渡したい」、「この家は長男に残したい」、「誰に何を遺したいか」という気持ちを言語化することがとても大事です。
家を継ぐ子、世話になった子、事情のある家族など、単に“均等”では割り切れない部分を、どう考えるかを学びます。

ステップ③:相続税試算

相続税がかかるかどうかの“見積もり”をすることで、次に備えるべきことが見えてきます。
「基礎控除」「生命保険の非課税枠」などを理解するだけでも、過度な心配を減らすことができます。「うちは税金、かからないでしょ?」と思っていても、基礎控除(3000万+600万×法定相続人)、保険の非課税枠(500万×法定相続人の数)など、制度を知るだけで見通しが立ちます。

ステップ④:相続対策検討

生前贈与の活用、不動産の名義整理、保険の見直し、信託の利用など、対策は多岐に渡ります。
すべてを一気にやる必要はありません。今からできることを一つひとつずつ。「今やること」と「後で困らないためにやること」を整理します。

ステップ⑤:遺言書・家族信託の作成

最後に、自分の意思をきちんと残す段階。
遺言は“法的に有効な言葉”として遺せるツール。「争族」を防ぎ、「ありがとうで終わる相続」にする鍵になります。“付言(手紙)”を添えて、子どもたちに想いを伝える人も増えています。「遺言書があるだけで、家族が感情的にならずに済むことも多いんですよ」

この5つのステップを進めれば、相続の8割は終わったも同然だそう。
ですが、もう少しちゃんと知りたいという方には、土方先生からじっくり学べるのがセミナーがありますのでぜひ、ご参加ください。

直接お話できるイベントを開催します!

相続というと揉める、辛い、避けたいなと思う方もいらっしゃたと思いますが、土方さんなら、そのモヤモヤを解決して、一つずつ進んでいくことができます。ぜひ土方さんに直接会って相談してみたいと思った方のためにスペシャル企画を開催いたします。

「相続の基本5つのステップセミナー」詳細は下記をチェック!

開催日程:2025年8月26日(火)13:00〜14:00
開催場所:主婦の友社(東京都品川区上大崎3-1-1目黒セントラルスクエア内)定員50名 ※最低催行人数5名
講師:1級ファイナンシャルプランニング技能士 土方朋さん

★セミナー応募フォームはこちら★

※お申し込み多数の場合は抽選となる場合がございます。
※お申し込み後、事務局より3営業日以内にご連絡差し上げます。

「相続は、思いやりのリレー」と語る土方朋さんが直接相続の基礎を教えてくれるセミナーです。主婦の友社とニッポン放送「生活の窓口」の協業で行います。相続という人生の大きな課題に、少しでも多くの方に参加いただきたいという思いで、出版社とラジオ局がともに連携して企画いたしました。ぜひ、この機会をお見逃しなく!

<セミナー参加後は土方さんによる個別相談会も実施>

開催日程:2025年9月4日(木)・5日(金)
①10:00 ②11:30 ③13:30 ④15:00
開催場所:ニッポン放送(東京都有楽町) 生活の窓口
※個別相談は事前予約制ですので8月26日実施の本セミナー終了後にご案内いたします。

▼次回の話を読む▼

>>「相続のこと後回しにしていませんか」家族間で“もやもや”しないために専門家が最も重視するコト

取材・文/橋本夏子

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