【要約小説】名作のあらすじを読もう!【戦後80年に読みたい小説】
原爆投下から80年。戦後80年の今読みたい【小説あらすじ15選】昭和初期に書かれた名作をひもとく
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ゆうゆうtime編集部
戦後80年に読みたい名作15作をピックアップして、あらすじをお届けします。戦中・戦後の空気を生き生きと伝える、昭和初期に書かれた小説やノンフィクションの名作を、この機会に手にとってみませんか。
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戦争と一人の女(坂口安吾)
戦争と愛が作り出す歪んだ人間関係の真実
『戦争と一人の女』は、坂口安吾が戦争という苛烈な舞台設定の中で人間のエゴイズムや愛、欲望の本質を露わにした作品です。女性の持つ矛盾した性格と空虚さ、そしてそれを受け入れつつも葛藤する男の視点が織りなす物語は、読者に生きることの虚しさや希望の儚さを考えさせます。一読して得られるのは、時代や環境に支配されながらも人間らしさを失わずに生きることの難しさ。そして、戦争と愛という極端な状況が人の心に及ぼす想像以上の影響です。その強烈で生々しい描写と深い心理描写は、小説としても哲学的な問いとしても深遠な魅力を持っています。
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【戦後80年に読みたい一作】坂口安吾の『戦争と一人の女』あらすじ紹介。戦争と愛が作り出す歪んだ人間関係の真実とは?
白痴(坂口安吾)
戦火を生き延びた先に待っていた衝撃の結末とは!?
坂口安吾の『白痴』は、戦争の荒廃と人間の無力さを直視しつつ、それでも生き続ける人間の本能と愛を追求する深遠な作品です。戦争の不条理、社会の崩壊、そして人間の極限状態が詩的かつ鋭い筆致で描かれています。一見して暗鬱(あんうつ)なテーマの中に、読者の心に問いかける「人間らしさ」や自己の葛藤を冷徹に描き切ったその文学的価値は計り知れません。読み終えた後には、胸に重くのしかかるテーマが強烈に残る一作です。ぜひ、その深い哲学的世界に触れてみてください。
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【戦後80年に読みたい小説】坂口安吾『白痴』あらすじ紹介。戦火を白痴の女と生き延びた先に待っていた衝撃の結末とは!?
戦争はぼくをおとなにした(小川未明)
戦時下の子供の生きざま
『戦争はぼくをおとなにした』は、戦争という過酷な現実によって少年が成長していく姿を描いた文学作品です。主人公・清吉が無邪気な子どもたちと対比するように、大人顔負けの行動を見せる背景には、戦争が少年期に植え付けた意識の変化が表れています。この物語は、純粋で幼い存在が悲劇と耐え難い現実の中でも人間として成長していく過程を美しく表現しています。他者を思いやる心、そして自分の役割を自覚する姿勢。感動だけでなく、深い教訓と希望を伝えてくれる1冊です。この冬の澄み切った空のような優しい視点で、ぜひ読み解いてみてください。
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【戦後80年に読みたい小説】小川未明の『戦争はぼくをおとなにした』あらすじ紹介。戦時下の子供の生きざま、そして感動の人間ドラマ
夜の進軍らっぱ(小川未明)
父と息子が織りなす愛情物語
『夜の進軍らっぱ』は、小川未明独特の情感あふれる筆致で描かれた美しい短編小説です。親子の愛情が不可欠な普遍的テーマとして物語に込められつつ、戦争が人々に与える影響や、家族に残された者の痛みを深く掘り下げています。山あいの村と厳しい自然、さらには響きわたる進軍らっぱ音が織り成す世界に引き込まれ、涙が自然と浮かぶほど。ぜひこの作品を通じて、戦争と平和、そして家族のつながりについて考える時間を持ってください。
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【戦後80年に読みたい小説】小川未明の『夜の進軍らっぱ』あらすじ紹介。父と息子が織りなす愛情物語
吾亦紅(原民喜)
亡くなった妻を慕う気持ちを描いた私小説
『吾亦紅』は、原民喜が妻との日々を回想し、愛と喪失を綴った私小説です。日常の些細な出来事や、飼い犬やカナリヤ、自然の情景を丁寧に描くことで、戦時下のかけがえのない家庭の姿を浮き彫りにしました。そして、無慈悲にも訪れる別れの影が、読者に深い余韻を与えます。妻に捧げられた一篇の追憶は、愛の儚さと強さを同時に感じさせ、読む人の心に長く残ります。この機会にぜひ、家族との時間や絆の大切さを再認識してみてはいかがでしょうか。
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【戦後80年に読みたい小説】原民喜の『吾亦紅』あらすじ紹介。亡くなった妻を慕う気持ちを描いた私小説
播州平野(宮本百合子)
戦後の希望と家族の物語
宮本百合子の『播州平野』は、戦後日本の混乱期を背景に、家族の絆と人間の尊厳を問いかける文学作品です。敗北の中で新たな道を切り開く民衆の姿を、ひろ子という一人の女性の目線から丹念に描き出しています。「帰る」こと、その意味を考えさせられる重吉の物語。荒廃の中にきらめく希望と、当時の社会のリアリティーを鮮烈に伝える一作です。
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【戦後80年に読みたい小説】宮本百合子の『播州平野』あらすじ紹介。戦後の希望と家族の物語
煙突(山川方夫)
戦後の世で「生きる意味」を問う希望の物語
小説『煙突』は、戦争で失ったものや、戦後にくる空虚さと孤独を胸に抱えた少年の姿をリアルに伝える物語です。読者は主人公の問いや彼が感じた違和感を通じて、普遍的なテーマである「生」と「死」、そして「他者との関係」について深く考えさせられます。特に印象的なのは、屋上や煙突という象徴的な場所での出来事。地上と隔絶した異空間が、内面的な葛藤の場として効果的に描かれていました。この物語は、戦争という背景だけでなく、人間の普遍的な真理を紡ぎ出した力作です。
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【戦後80年に読みたい小説】山川方夫の『煙突』あらすじ紹介。戦後の世で「生きる意味」を問う希望の物語
I駅の一夜(中谷宇吉郎)
戦時下の日本を垣間見る温かなドラマ
中谷宇吉郎の『I駅の一夜』は、戦時中という厳しい環境下で出会う人々の温かな人間性を描いた作品です。宿屋の若い女主人との短い交流は、困難な状況下でも知識を追求し、他者を思いやる心が重要であることを強く訴えかけます。また、日本の底力は軍事力や官僚ではなく、こうした草の根の人々の努力や素朴な思いやりから成り立っていることを示唆する深いメッセージが込められています。当時の日本の風景を知るとともに、人間の美しい一面に触れられる心に残る短編小説です。ぜひ、その温かさと奥深さを感じてみてください。
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【戦後80年に読みたい小説】中谷宇吉郎の『I駅の一夜』あらすじ紹介。戦時下の日本を垣間見る温かなドラマとは?
うき草(林芙美子)
竹やり訓練を行う女2人を襲う悲劇
『うき草』は、戦時下の「非日常」がもたらす孤独や不安を、村の日常に丁寧に描き込んだ作品です。個々の人生の背後にある社会の変動や、戦争が奪うもの、残す傷跡が鮮明に浮かび上がります。さえや蝶子を通じて語られる人間の弱さや希望、そして戦争の非情さが、深く胸を打ちます。一見静かな村の風景に潜む感情が豊かに描かれ、苛烈な時代の人間模様があなたの心に深く響くでしょう。この作品を読むことは、戦争によって揺さぶられた庶民たちの価値観や生活感覚を知る一助となるはずです。林芙美子の巧みな筆致を存分に堪能してください。
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【戦後80年に読みたい小説】林芙美子の『うき草』あらすじ紹介。竹やり訓練を行う女2人。その非日常と悲劇
大阪の憂鬱(織田作之助)
闇市と残像が刻む戦後大阪の姿
『大阪の憂鬱』は戦後の大阪を背景に、復興のたくましさとその裏に潜むはかなさを描いた織田作之助のエッセイ作品です。闇市場を中心に展開される物語では、混乱と欲望、そしてたくましさが奇妙に入り交じった社会が緻密に描写されています。また、美しい京都との対比を通して、大阪が持つ独自の魅力と哀愁が浮かび上がります。この作品は戦後日本の一面を切り取りながらも、良い意味での苦みと憂いを読者に提示しています。織田作之助特有の批評的な筆致で、まだ見ぬ大阪をご堪能ください。
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【戦後80年に読みたい小説】織田作之助の『大阪の憂鬱』あらすじ紹介。戦後の東京と大阪どう違った?闇市と残像が刻む戦後大阪の姿
戦場(夢野久作)
想像を絶する「戦場のリアル」
『戦場』は、激しい戦場の現実に浮かび上がる人間の心理と倫理との葛藤を描いた夢野久作の代表作です。戦争という破滅的な状況の中で、身体的な痛み、精神的な霧、過酷な命令に直面する人々。そしてその背後に横たわる虚無感と疑問。主人公クラデル博士の視点を通じて、戦争の残酷さだけでなく、人間の生命や信頼のはかなさ、そしてそれでもなおもがく姿を感じられるでしょう。この小説は現代人にとっても深いテーマを投げかける不朽の名作です。ぜひ手に取って読んでみてください。
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【戦後80年に読みたい小説】夢野久作の『戦場』あらすじ紹介。想像を絶する「戦場のリアル」そして人間倫理の葛藤
