450万円の田舎の一軒家は「安泰ではなかった…」58歳、団地で再出発。田舎暮らしの失敗から得たもの
人生の後半戦、“自分サイズ"を見直して、シンプルかつコンパクトに暮らし替えをされた方を紹介する「小さい暮らし」の見本帖。今回、登場いただくのは、ユーチューバーのまめ子さん。過酷だった“女ひとり”での田舎暮らしを経て、1DKの団地でゆっくりシニアライフの準備中です。
Profile
まめ子さん
ユーチューバー●1966年生まれ。営業職(正社員)やヘルプデスク職(非正規)などを経て、現在は業務委託の事務職に従事。55歳でユーチューブチャンネル「まめ子のシニア生活始まるよ」をスタート。登録者数は 5.37万人(3月末時点)。「幸せな老後の準備」をテーマに動画投稿を続けている。
仕事や食事など、まめ子さんが一日の大半を過ごすテーブルコーナー。この部屋を選んだ決め手は、内見した中でリフォームの仕上がりがいちばんきれいだったから。グリーンのロールスクリーンの奥はクローゼットになっている。
安心を求めて37歳で田舎に一軒家を購入
「動画編集に興味があって、見よう見まねで作った動画を2本、ユーチューブに投稿してみたんです。ところが1週間たっても閲覧数はゼロ。どうせ誰も見ないのだからと、3本目の動画は自分が本当に言いたいことを題材にしてみたら、閲覧数が万の単位まで伸びてしまって。うれしいというより、とにかく怖かったです(笑)」
初心者だったのに思いがけず動画が〝バズって〟しまったまめ子さん。「自分が本当に言いたいこと」とは、現在58歳のまめ子さんが52歳まで続けた田舎暮らしの苦労体験だった。
「世間一般には田舎暮らしに憧れを抱かせるような番組や記事が多いですよね。それなら私は、実際に田舎に家を買って、実際に暮らしたからこそわかる、細かな苦労を動画で伝えられたらと思ったんです」
ある程度年齢を重ねたら住まいを購入するものと思っていたこと、正社員から派遣社員となり将来の不安が増したことなどから、まめ子さんは37歳でとある田舎町に築15年の一戸建てを購入した。いきなりの住宅購入はハードルが高そうだが、価格はなんと450万円。ローンを組まず貯蓄でまかなえることが大きな魅力だった。
「私も当時は田舎暮らしに憧れがあったんです。住まいを確保できて、これで将来は安泰だと思ったのですが……」
オリーブやハンギングにしたシュガーバインが部屋に彩りをプラス。植物が好きだが軽い喘息があり、せきが誘発されないよう数を厳選している。
ポスターは20代後半に旅したギリシャの思い出の品。
現在の住まいは約35平方メートルの1DK。居室部分は11畳あるので、半分はベッドコーナーにしている。休憩用のパーソナルソファ、その日の気分で置き場所を変えて愛用中。
