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【ガーデニング】秋バラを最高に咲かせる秘訣!いつまでも暑い9月の夏剪定のコツとは?

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吉原美奈子

【ガーデニング】秋バラを最高に咲かせる秘訣!いつまでも暑い9月の夏剪定のコツとは?

カップ咲のシュラブローズ。秋には花形が変わるものですが、ていねいにお世話してきれいな秋花をみたいものです。

関東以西では9月に入っても30℃以上の気温が続きますが、バラを育てている人にとって気になるのは夏剪定と秋バラのこと。近年の温暖化でバラの剪定時期が悩ましいところですが、やるべきことはやって秋を迎えましょう。

【ガーデニング】秋バラを最高に咲かせる秘訣!いつまでも暑い9月の夏剪定のコツとは?(画像2)

HTの‘クリスチャン ディオール’。1958年フランス作出の品種ですが、赤バラの名花としていまなお愛されています。(筆者撮影)

昔は8月下旬に行った夏剪定

四季咲きのバラは、10月下旬にも春に勝るとも劣らない素晴らしい花を咲かせて魅了してくれます。
そのためには夏の終わりに枝を切り、上部から新しい芽を出させて元気な枝を伸ばすための夏剪定が欠かせません。

バラを育てている方ならお分かりでしょうが、夏の終わりには庭植えのバラなどは人の背丈ほどに伸びていて、見上げるような状態のものもあるでしょう。
人が鑑賞しやすいように切り詰め、茂りすぎた枝を整えて、よい状態で秋バラを咲かせてやるのも夏剪定の目的です。

【ガーデニング】秋バラを最高に咲かせる秘訣!いつまでも暑い9月の夏剪定のコツとは?(画像3)

2006年にバラの栄誉殿堂入りした‘エリナ’。元々はプードゥースという名でしたが、改名したら人気が出たそうです。(筆者撮影)

20年以上前までは、夏剪定は8月末頃に行うのが一般的でした。
しかし夏の暑さが厳しく、暑さが長引く近年では、8月下旬に剪定してしまうとバラは3~4週間もすると次の花を咲かせてしまいます。

まだ、暑さが残る9月下旬は咲いた花も貧弱ですし、それを切って再度剪定すると、品種によっては肝心の10月下旬によい花が見られないこともあります。
自分のバラの種類と開花サイクルを考慮し、最適な夏剪定の時期を決めるようにしてください。

【ガーデニング】秋バラを最高に咲かせる秘訣!いつまでも暑い9月の夏剪定のコツとは?(画像4)

大輪になるほど、花弁数が多いほど開花まで時間がかかるのが普通です。写真のようなセミダブルの花は軽やかに開きます。(筆者撮影)

大輪のHTは9/10前後が剪定の適期

近年では、四季咲き大輪のHT種の夏剪定は9月上旬に行うことが多くなりました。
最低気温が26℃かそれ以下で安定したら、極端な早咲き、遅咲きの品種でなければ9/10頃に剪定するのが目安です。

遅咲きの品種であれば、最低気温が少し高くても9/6頃までには終わらせます。
早咲きの品種は逆に、9/10~15あたりが適期です。
早咲きか遅咲きか分からない場合は9/10頃に行うのがよいでしょう。

【ガーデニング】秋バラを最高に咲かせる秘訣!いつまでも暑い9月の夏剪定のコツとは?(画像5)

神代植物公園のバラ園。写真は5月ですが、9月上旬に訪れたらプロの上手な夏剪定が見られるかもしれません。(筆者撮影)

もちろん個々のバラによって開花までの日数は異なるので、上記はあくまでも目安であり、地域によっても違います。
関東以北の寒冷地では8月下旬が適期となるでしょう。
今年の剪定日を記録しておき、次からの計画に役立ててください。

枝を切る際は、株全体の2/3を残すイメージで冬剪定よりは浅めに切ります。
枝にハサミを入れる位置は冬と同じく、葉が5枚ついている5枚葉を探し、その上6mmほどの場所が適します。

イングリッシュローズとは、イギリスの育種家デビッド・オースチン氏によって開発されたバラの系統で、オールドローズの香りや花形と、モダンローズの四季咲き性、耐病性をあわせ持っています。カップ咲きやロゼット咲きが多く、ナチュラルガーデンにぴったりの優雅な雰囲気を演出します。

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シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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寒冷地とは、平均気温が低く、冬季に雪や霜が多く降る地域を指し、園芸においては栽培可能な植物が限られる環境です。北海道や本州内陸部などが該当し、霜害や冬越しの難しさが課題になります。寒冷地では耐寒性の高い宿根草や球根植物が重宝され、逆に熱帯性植物は室内での越冬が必要です。栽培カレンダーも地域ごとに調整が必要で、気候に合った植物選びがガーデニング成功の鍵となります。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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