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庭がなくても、狭くても大丈夫! 鉢植えバラの育て方とおすすめポイント

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吉原美奈子

庭がなくても、狭くても大丈夫! 鉢植えバラの育て方とおすすめポイント

ポリアンサ系の‘リトルホワイトペット’。樹高50㎝ほどで花付きは抜群。白の小輪バラですが赤いつぼみが愛らしく、鉢植えで魅力倍増の品種です。

バラは日当たりがよくて広い庭がないと育てるのが難しい、と思っていませんか? 環境が重要であるのはたしかですが、本来バラは丈夫で長命な植物。鉢植えでも、いえむしろ鉢植えのほうが育てやすい場合もあるのです。

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鉢でオールドローズを育てたい方におすすめの‘ソフィーズ パーペチュアル’。内側の花色が薄いカップ咲きで、晩秋まで繰り返し咲きます。樹高は1m前後。

あえて鉢植えバラにするという選択

バラはお日様と風通しのよい庭が大好きです。
の周りも常に清潔にして、からりと開けておくほうが害虫もつきにくくがっしりと健康に育ちます。

しかし現実には庭がない家庭も増えていますし、たとえ南側に庭があっても隣家や建物、塀にさえぎられている庭も多いもの。
そうした場合は地植えにこだわるのではなく、大切にしたいバラだからこそ鉢で育てるという発想の転換をしてみませんか。

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樹高40㎝ほどの‘ティアドロップ’は純白の花弁と黄色のしべのコントラストがきれい。病気に強く、極小なので剪定も必要なく、花がら切りを継続するだけ。

むしろ、一度植えたら動かしにくく、環境を変えにくい地植えより、季節や気候に応じて置き場所をどんどん変えていける鉢栽培のほうが好条件でもあるのです。
しかも鉢植えは土の面積が少ないので、地植えだと逃れられない雑草取りの苦労もほとんどありません。

バラにとっての一等地を探そう

まずは日の出から日没まで、自分の住まいの全方向の日照時間や風通しをしっかりと調べてみてください。
できればバラの生長期の春と秋に確認するのがよいでしょう。
そしてバラにとっての一等地を探し、そこに鉢を置いて育てればいいのです。

そこまでよい場所がなくても、鉢植えは移動ができるのがメリットです。
午前に日が当たる場所に置き、日が陰ったら午後に明るくなる場所に移すなどという手もあります。

そのためにも鉢は持ち運びがラクなプラスチックの軽い素材を選び、バラもミニ系やパティオローズなどのコンパクトな種類を選ぶのがポイントです。

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赤黒で半剣弁咲きの‘ジョージベスト’は、ミニバラではちょっと珍しいタイプ。耐病性がとても強く、ミニバラの大敵のハダニにも強いのが特徴です。

地植えの場合、バラは密植を嫌うので間を開けて植える必要があります。
もちろん、鉢植えも窮屈なのはよくありませんが、開花の時期だけ鉢と鉢をぎゅっと寄せてみてください。
地植えでは表せない、バラの園が誕生します。

デルフィニウム、ゲラニウム、ニゲラなどのバラに合う繊細な草花も鉢植えにしておけば、絵のような世界が思いのままに表現できるでしょう。

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イングリッシュローズにも鉢で育てられる品種はたくさん。花弁質が繊細な品種が多いため、雨を避けられる鉢栽培は向いているとも言えます。(著者撮影)

シュラブとは、ガーデニングでよく用いられる低木の総称です。生長が安定し、剪定によって形を整えやすいことから、庭や花壇の基盤となる植栽として重宝されています。バラの一種のシュラブローズも有名で、初心者から上級者まで幅広く愛されています。また、季節ごとの景観を楽しめる落葉樹や常緑樹があり、生育環境やデザインに応じて選べるのも魅力的です。

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鉢底石とは、鉢植えの一番下に敷く軽石などの石のことで、水はけをよくするために使います。鉢の中に水がたまりすぎると根腐れの原因になるため、鉢底石で排水性を高めることが重要です。再利用が可能なので、キッチン用の水切りネットなどに入れて使用すると便利です。

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培養土とは、植物を育てるために使う土のことです。数種類の土がブレンドされた市販の培養土は、通気性、保水性、排水性、養分のバランスがよく、初心者でも失敗なく植物を育てられます。植物の種類(花、野菜、多肉植物など)ごとに専用の培養土も市販されています。

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地植えとは、植物を鉢やプランターではなく庭の地面に直接植える方法のことで、根が土中に自由に広がるため株が大きく育ちやすく、水やりや肥料の持ちもよくなるといったメリットがあります。例えばバラや宿根草、樹木類などを長期間育てたい場合に適していて、植えつけの際には土壌の排水性や日当たり、風通しなどを考慮して場所を選ぶことが大切です。

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開花とは、植物がつぼみから花を咲かせる現象を指し、植物のライフサイクルの中で繁殖を目的とした重要な段階です。開花には品種ごとの遺伝的要因に加え、温度・日照・水分・肥料などの栽培環境が大きく関係しています。開花の時期や条件を正しく理解することは、ガーデニングにおいて花を美しく咲かせるための基礎知識の一つとなります。

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肥料とは、植物が健やかに生長するために欠かせない栄養素を補給する材料のことです。おもにチッ素、リン酸、カリウムを三大要素とし、それぞれ葉の生長、花や実の形成、根の発達を助けます。有機質肥料と無機質肥料に分類され、有機質肥料は堆肥や骨粉など自然由来で、土壌改良にも効果的。一方、無機質肥料は成分が均一で即効性が魅力です。ガーデニングでは植物の種類や生長段階を考慮し、適切な肥料選びと施肥のタイミングが大切です。

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樹高とは、地面から樹木の最も高い部分までの高さを指す言葉で、庭木やシンボルツリーを選ぶ際の重要な目安となります。植物の種類や品種によって最終的な樹高には大きな差があり、適切な樹高を見極めて植栽することで、住宅や周囲の景観と調和したガーデニングが実現できます。また、生長のスピードや剪定のしやすさにも関わるため、メンテナンスの観点からも考慮すべきポイントです。

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樹形とは、樹木の全体的な形や姿のことで、自然に育ったままのものから、人の手によって整えられたものまで、さまざまなスタイルがあります。たとえば「立ち性」「横張り性」「ほうき状」などがあり、ガーデニングでは庭のデザインやスペースに合わせて選ぶことが多いです。また、剪定によって希望の樹形をつくることも可能で、生け垣やシンボルツリーなどにおいて重要な要素となります。理想的な樹形を保つためには、生長の段階に応じた手入れや剪定が欠かせません。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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剪定とは、植物の不要な枝を切り取る作業のことです。形を整えたり、風通しをよくしたり、枝分かれを促したりする目的で行われます。剪定を行う目的に合った正しい時期に行うことが大事です。

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元肥とは、植物を植える前や植えつけ時に、あらかじめ土に混ぜ込んでおく肥料のことです。追肥とあわせて行うと元気に育ちます。

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株とは、地面から芽を出して生長している植物の基本単位を意味し、特に多年草や野菜苗などでよく用いられます。例えば「このラベンダーは大株に育った」といったように、株の大きさや状態は植物の生育具合を示す指標にもなります。ガーデニングでは株分けや株の更新、株元の管理など、長期的な育成を考えるうえで頻出する概念です。

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枝とは、植物の幹や主軸から分かれて伸びる部分で、葉や花、果実をつける役割があります。枝の生え方や配置によって光の取り込み方や風通し、樹形が左右されるため、剪定や誘引を通じて理想的な姿に整えることがガーデニングでは大切になります。

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