段ボール100箱分の服を手放したスタイリスト、その理由は?自己肯定感が上がる暮らし方
自分らしい“持たない暮らし”を楽しんでいる方の実例を紹介します。話題の新刊『捨てて、やめてラクになる 私らしい「持たない暮らし」』から抜粋してお届けするのは、スタイリストの小山田早織さん。ミニマリズムとは異なる、選びとるやり方で自己肯定感が高まったそうです。
PROFILE
小山田早織さん(スタイリスト)
数々のファッション雑誌でスタイリングを手がけ、現在は広告、ブランドとのコラボなど活躍の場を広げる。ベーシックながらもトレンド感のあるコーディネートが得意。夫、息子(6歳、4歳)、犬とともに暮らす。
Instagram:@saorioyamada
YouTube: https://www.youtube.com/@saorioyamada
ミニマリズムとは異なる、選びとるやり方で自己肯定感が高まりました
増えすぎた洋服を収納する部屋まで借りていた過去
流行の最先端でコーディネートの提案をするのがスタイリストの仕事。いくつもの人気雑誌やテレビ番組で長年活躍してきた小山田さんにとって、大量の服に囲まれている生活はごく当たり前のことでした。
「海外セレブのような豪華なクローゼットに憧れていたのです。仕事で使うかもしれない、また流行るかもしれないと思って保管していた服のために、自宅とは別に部屋を借りて家賃を払っていたほどです」
転機となったのは妊娠。仕事をセーブし、家で過ごす時間が長くなりました。
「家では洋服を片づけてはベビー用品を買い足し、余計なものまで買って増えたものをまた片づけ… 。産後の寝不足も重なり、心は不安定になっていきました。当時は心もクローゼットもパンパンの状態。スタイリストをやめようと思うまで追い詰められていたのです。そんなとき、“服を置くためだけに高い家賃を払う必要がある? 服の片づけに割いている時間は無駄じゃない?”という思いが頭をよぎりました」
それから段ボール100箱以上の服を手放した小山田さん。ただし、実践したのは処分というより“好きなもの探し”です。
「私は極限までものを減らしたいわけではなく、ファッションも存分に楽しみたいと思っています。だから捨てるのではなく、好きなアイテムを3点ずつ絞ってクローゼットに戻していきました。そして、今までは“好き”が埋もれてしまっていたこと、お気に入りだけに囲まれることがどれだけ幸せかを思い知る ことになったのです」
同じやり方で家を整理し、ストレスフリーな空間を手に入れた小山田さん。驚くことに自己肯定感も高まったそうです。
「クローゼットと同じく、仕事や人間関係もシンプルに考えられるように。心が満たされ、それが自信につながって、自分の軸をしっかり持てるようになったのだと思います。お気に入りとは自分の気が入る、という意味だとある人から聞きました。自分の気が入ったものなら、自然と大事にできますよね。何かものを迎え入れるときは、手に取ってワクワクすることが必須の条件。高揚感がなくなったら潔く手放します。ものを循環させ、ときには新しさも加えながら、お気に入りの空間を維持しています」
リビングの一角にはアートなポスターをディスプレイ。自身はミニマリストではないと自覚しており、インテリア雑貨は大好き。素敵なものはきちんと飾って見せたいと考えています。
テレビ横の棚に飾っているものにも、思い入れとお気に入りの理由がそれぞれにあります。ルームフレグランスは、インテリアとしてだけでなくおもてなしのひとつというとらえ方。
▼次回は、小山田さんが「持たないことでラクになったこと」を伺います。▼
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