東大生の挫折から学ぶ!子どもの自主性を潰すバカ親とは?【ホリエモンのネオ教育論】
「教育」や「子育て」にまつわる悩みは、世代を超えて尽きないもの。そんなテーマに、ホリエモンが一石を投じました。堀江貴文さんの新刊『バカ親につけるクスリ』から、抜粋してお届けします。第5回は、親が子どもにできるただひとつのこととは?
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>>「YouTubeもゲームも禁止」で子供が失う大事なもの。ホリエモンが教える「任せる」教育法とは?過保護・過干渉で子どもを殺すバカ親
子どもに失敗をさせたくないからと、子どもに過保護・過干渉になる親は、以前からいたし、最近は少子化のあおりもあって特に増えてきている。
僕が最初の会社を興して順調に成長していたとき、有望な若者がバイトとして入ってき た。灘中高出身の東大生で、驚異的な速さでITのスキルを伸ばしていった。社員として 働いてくれたら、1億円の売上が立つ。そう言って励ますと、彼はがぜんやる気になって、大学を中退して入社したいと申し出てきた。僕としては大歓迎だった。
ところが、彼の母親がオフィスに怒鳴り込んできたのだ。「こんな会社に入れるために、 うちの子は東大に入ったわけじゃない!」と、わめき散らした。呆然とするしかなかった。スタッフがなんとかなだめて、母親には引き取ってもらった。
それがきっかけで東大の彼は意気消沈して、バイトを辞めてしまった。
直後に会社は上場して、僕たちはIT界の旗手となった。もし入社していたら、収入的 にも将来的にも、彼の人生はすごく面白いものになっていたはずだ。
母親の言い放った「こんな会社」が、一般的な親たちの考え方を象徴している。
じゃあ、どんな会社だったらいいのか? 名の知れた老舗の大企業に息子が就職すれば、 東大に入れた苦労が報われるというのだろうか。報われるかどうかは子どもが決めることなのに、勝手な決めつけで、子どもの選択を操作するのは最悪だ。この母親は、思い込みを押しつける上に過干渉だった。
「大企業なら安泰」という古い価値観にこだわっているような親には、決して従っては ならない。東大生のバイトの彼は、今でも後悔しているんじゃないだろうか。
親の思考は、だいたい20年ほど前の「常識」でつくられたものだ。今の社会に通用するわけがない。世間は厳しいぞ!などと言うけれど、これから訪れる「未知の世間」を親が理解しているわけではない。
「未知の世間」の当事者は、むしろ子どものほうなのだ。「今」を生きていく子どもが、「今」の情報と感情を、最優先にして生きていくべきだ。
親の命令に従って成功できたビジネスマンを、僕は知らない。
過保護な親も多い。子どもの行動を先回りしてあれこれ世話を焼く様子から「ヘリコプターペアレント」とも呼ばれる。過保護な親のもとで育つ子は、自分の要望ややりたいことがわからなくなったり、無気力になったり、リスクを取る行動ができなかったり、打たれ弱かったりする。また大人になっても親元から自立できなくなるケースもある。
