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夫・渡辺徹さんが亡くなって3年【榊原郁恵さん】が語る“60代からのしなやかな自立”とは?リフォーム計画も

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依田邦代

周りとの関係性の中で初めて「自立」できる

「60歳を過ぎてやっとやりたいことが自分から発信できるかなと思っていたときに大事なパートナーを失った」と振り返る郁恵さん。

2017年、結婚30周年の徹さんからのプレゼントは、郁恵さん念願の絵本の読み聞かせの会だった。徹さん自ら企画し、会場を借りて催してくれた。郁恵さんもスタッフ会議から参加するなど、やりがいを感じたという。

次は一緒に企画したものを、と21年に徹さんの還暦&俳優40周年を記念して、朗読劇『家庭内文通』を裕太さんと親子3人で共演した。さらに第2弾を全国で上演しようと計画していたところの突然の徹さんの他界だった。

「中心的存在の夫がいないから、もう無理だと思ったんです。でも、トラブルが起きるとそれを乗り越えることに燃える人でした。『諦めない』が夫のポリシーでしたから、周りの方々の力を借りながら頑張ってみることにしたんです」

それまでは、「夫は夫、自分は自分。互いに自立した存在だ」と思っていたが、ひとりではできないことがあると気づかされた出来事だった。

「結局、見栄を捨てて子どもやスタッフに『どうしたらいいの? わからないから助けてほしい』と頼るしかなかったんです」。そして、ついに23年11月、長男の裕太さんと共演する朗読劇『続・家庭内文通』は実現した。

「自立って他の人との関係性の中でしか存在しないと思うんですね。家庭でも仕事場でも、自分ができないときは周りを頼り、逆に頼られたときは力を貸す。でも、一人一人が自分というものを持っていて、決してべったり依存する関係ではない。そういう関係が理想なんだと思います」

周りの助けを借りながら成し遂げた『続・家庭内文通』

徹さん亡き後、一度はあきらめた舞台の実現。だが、周りのスタッフや息子・裕太さんの力を借りて、2回目となる親子共演の舞台が実現した。2023年11月から12月にかけて“渡辺徹 追悼公演”と銘打って全国を回り、朗読劇に加えて、『家庭内文通』の上映も。

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