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秋から始めるガーデニング:日が短くなると花咲く「短日植物」の育て方とコツ

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光武俊子

人工的な短日処理でポインセチアを色づかせる

クリスマスのディスプレイで人気のあるポインセチア。赤やピンクなど華やかに色づくのはという部分で、花のつけ根にある葉の変化したものです。花はその中心にある小さな丸い部分。メキシコ山地の原産で、暑さ寒さに弱いところがありますが、低木なので無事に2年目を迎えることがあります。

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苞がピンクの園芸品種

ところが、そのまま育てていたのではいつまでもが色づかなくて??? せっかく2年目を迎えたのに残念なことです。

自然に放っておくと花芽分化が起きるのは10月下旬以降で、が色づくのはクリスマスに間に合いません。

冬越ししたは春にを1/3ほどに切り戻し、気温15℃くらいになったら戸外に出して日に当て、夏は涼しいところで管理します。9月には室内へ入れて夕方17時から翌朝8時ごろまで段ボール箱などをかぶせて、光をシャットアウト(短日処理)。すると、11月には花芽ができて、が色づきます。

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冬は窓辺で日に当てる

光の明るさや日照時間をコントロールしよう

ここまで短日植物にとって、日長が短くなることによる影響を紹介してきました。このように光は植物に大きな影響を与えます。花芽を形成するホルモンの作用だけでなく、養分をつくる光合成も光の量が影響します。

夏は戸外で栽培していたコチョウランなども、近年の気温上昇で年間を通して室内での栽培が推奨されています。けれど、室内の明るさは植物が光合成をするのに足りない場合が多いため、LEDで光補正をする栽培法がとり入れられ始めています。

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窓辺でもLEDを当てて栽培するコチョウラン

耐陰性があるために室内で栽培できる観葉植物も、じつは日ざしを好むものが多いので、LEDで補光すれば生育がよくなります。植物育成用でなくても大丈夫。卓上ライトのLEDも利用できます。

気候や住宅環境が変化する中では、草花を楽しむのに日長や光量についても関心をもってまいりましょう。

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LEDライトを棚上のポトスなどに当てる

長日植物とは、日照時間が一定時間より長くなると花芽を形成する植物を指します。​具体的には、夜の時間が短くなることで開花が促進されます。​ペチュニアやカーネーション、アブラナなどが代表的な長日植物です。

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観葉植物とは、花よりも葉の形や色、質感の美しさを楽しむことを目的とした植物の総称です。モンステラ、ポトス、カラテアなどが代表的で、インテリアグリーンとして人気があります。育てやすく空間に潤いを与えるため、初心者からベテランまで幅広い層に愛されていますが、室内管理には日照・温度・湿度・空気の流れなど、繊細な配慮が必要です。身近に置いて葉の表情を見て、植物と会話する感覚が味わえるのも魅力の一つです。

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花芽分化とは、植物の生長点が葉や茎をつくる働きから、花を咲かせる器官へと転換される過程を指し、花の準備段階として非常に重要です。この時期には温度や日長、栄養バランスが影響しやすく、適切な条件がそろわなければ開花しない場合もあります。果樹や球根植物、草花栽培においてもこの時期を意識した管理が、収穫や観賞価値の成否を左右します。

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短日植物とは、日照時間が一定時間より短くなると花芽を形成する植物を指します。​具体的には、夜の時間が長くなることで開花が促進されます。​アサガオやポインセチア、コスモスなどが代表的な短日植物です。

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短日処理とは、植物にあえて日照時間の短い環境をつくり出す技術です。これは、特定の花や植物が短日条件で開花する特性を利用し、開花時期を調整する目的で行われます。例えば、クリスマスシーズンに欠かせないポインセチアも、この短日処理を活用することで美しい色あいを見せます。

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切り戻しとは、伸びすぎた枝や茎を途中で切り詰める作業で、植物の形を整えたり、次の花や芽の発生を促す目的で行います。開花後に行うことが多く、風通しをよくし、病害虫の予防にもつながります。

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木質化とは、もともと茎が柔らかい植物の茎や枝が、時間の経過とともに固く、木のように変化する現象を指します。木質化は植物の体内にリグニンという物質がふえることによって起こるとされています。

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多年草とは、開花、結実後も枯れずに生長する植物のことを指します。一度植えると数年にわたり生育し、毎年花を咲かせます。

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冬越しとは、寒さに弱い植物を冬の寒さや霜から守って生き延びさせるための管理方法です。屋外に置いている鉢植えを室内に取り込んだり、花壇の土の表面にワラや落ち葉などを敷き詰めたりします。

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光合成は、植物が太陽の光をエネルギー源にして、二酸化炭素と水から酸素と栄養(糖)を作り出す生命活動の基本です。葉の中にあるクロロフィル(葉緑素)が光を受けることでこの反応が起き、植物の生長だけでなく、地球上の酸素供給にも関与しています。ガーデニングでは、植物が光合成しやすいように日当たりを確保し、葉を健康に保つことが重要です。日陰を好む植物でも、ある程度の光が必要であるため、「光と植物の関係」を理解しておくことは、育てる楽しさを深めてくれます。

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開花とは、植物がつぼみから花を咲かせる現象を指し、植物のライフサイクルの中で繁殖を目的とした重要な段階です。開花には品種ごとの遺伝的要因に加え、温度・日照・水分・肥料などの栽培環境が大きく関係しています。開花の時期や条件を正しく理解することは、ガーデニングにおいて花を美しく咲かせるための基礎知識の一つとなります。

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草丈とは、植物が地面からどのくらいの高さまで育つかを示す言葉で、園芸品種の選定や植えつけ間隔を考えるうえで重要な指標になります。低い草丈の品種は鉢植えや寄せ植えに向き、高い草丈の品種は庭の背景や目隠しとして活躍します。花壇づくりでは草丈のバランスを取ることで、奥行きや見栄えのよいレイアウトに仕上げられます。

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花芽とは、植物が開花の準備を始めるために形成される芽のことです。この芽は、茎や枝の先端、葉のつけ根などに現れる場合が多く、やがて美しい花を咲かせる基となります。ガーデニングでは、花芽の確認は植物が元気に育っているサインともいえます。特定の植物は、剪定や施肥のタイミングを工夫することで花芽の形成を促進できます。そのため、花芽の状態を観察することは、美しい庭づくりの重要なポイントとなるでしょう。

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品種とは、ある植物の中で、花の色や形、実の大きさなどの性質が、明らかに他の植物と異なる栽培植物のことです。園芸品種や栽培品種の略称です。

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低木とは、一般的に高さが約2メートル以下の小型の木を指します。ガーデニングでは庭の縁取りやアクセントとして使われることが多く、ツツジやユキヤナギ、ローズマリーなどが代表的です。剪定がしやすく、生長も制御しやすいため、初心者にも扱いやすい特徴があります。また、低木は季節ごとの花や葉の変化を楽しむことができ、庭に四季折々の彩りをもたらします。

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苞とは、花の近くにつく葉のような部分で、本来の葉とは形や役割が異なります。ポインセチアやブーゲンビリアなどは、この苞が色づいて花のように見えます。実際の花は中心にある小さな部分で、苞は花を守る役割をしています。

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株とは、地面から芽を出して生長している植物の基本単位を意味し、特に多年草や野菜苗などでよく用いられます。例えば「このラベンダーは大株に育った」といったように、株の大きさや状態は植物の生育具合を示す指標にもなります。ガーデニングでは株分けや株の更新、株元の管理など、長期的な育成を考えるうえで頻出する概念です。

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枝とは、植物の幹や主軸から分かれて伸びる部分で、葉や花、果実をつける役割があります。枝の生え方や配置によって光の取り込み方や風通し、樹形が左右されるため、剪定や誘引を通じて理想的な姿に整えることがガーデニングでは大切になります。

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