秋から始めるガーデニング:日が短くなると花咲く「短日植物」の育て方とコツ
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光武俊子
日が短くなることで開花する植物のことを「短日植物」といいます。理科の授業で習ったかもしれません。この性質や植物を知っておくと、秋からのガーデニングに役立ちます! わが家のキクやコスモスが思うように咲かなった理由も、ここで見つかるかもしれません。
秋の庭を華やかに彩る短日植物
一年のうちで春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さがほぼ同じになります。春分の日から日長(日照時間)は延びて、夏至で最長になってからは日長が短くなり、秋分の日を経て冬至で日長は最短となります。
こうした日長の長短に影響されて開花する性質の植物が、長日植物と短日植物です。長日植物の代表格は夏を彩るペチュニア。短日植物の代表格はキクやコスモスでしょうか。ただし、品種改良が進んでペチュニアは春から秋まで咲き続け、キクは一年中咲く品種があります。
それでもこの性質を知っていると、「うちの花が咲かない」理由がわかったり、2年目のポインセチアを見事に色づかせたりできるかもしれません。そして、ちょっと物寂しい秋の庭を、短日植物で華やかに彩れます。
街灯の下で花が咲きにくい理由とは!?
例えば、皇帝ダリアは茎が木質化するダリアの仲間で、草丈が5mほどまでになる大型の多年草です。道路沿いでのびのび育てようとしましたが、いつまでも咲かずに霜が降りて枯れてしまったという話を聞きます。そばには街灯があって一晩中明るかったのです。
皇帝ダリアは短日植物で、日長が短くならないと花芽がつきません。近くに街灯などがあると、日が長いと感じて咲かないのです。これと同じことが玄関先の花壇などでも起こりがちです。よく咲くはずのキクや宿根アスターなどがいつまでも咲かないときは、夜間の明かりを確認してみてください。
短日植物は秋分の日を目安に、9月下旬~10月中旬に植物ホルモン「フロリゲン」を放出して花芽を形成します。この時期に夜(暗い時間)が長くなることが、短日植物を咲かせるスイッチ。霜の降りる時期はすぐにやってくるので、急いで外の明かりを消しましょう。
