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【豊臣兄弟!】「信じよう」とする豊臣兄弟(仲野太賀、池松壮亮)と「信じまい」とする織田信長(小栗旬)の対比がおもしろい!

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志賀佳織

【豊臣兄弟!】「信じよう」とする豊臣兄弟(仲野太賀、池松壮亮)と「信じまい」とする織田信長(小栗旬)の対比がおもしろい!

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第6回より ©️NHK

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」。今まであまりスポットライトの当たることのなかった豊臣秀長を主人公に、戦国時代がどう描かれるのか? ここでは、ストーリー展開が楽しみな本ドラマのレビューを隔週でお届けします。今回は、第5回「嘘から出た実(まこと)」と第6回「兄弟の絆」です。

前回、主君である織田信長(小栗旬)に従って桶狭間の戦いに参加した藤吉郎(池松壮亮)と小一郎(仲野太賀)の豊臣兄弟。その手柄を認められて本格的に武士としての道を歩み始めたが、第5回、第6回では、いよいよ戦国の世の渦中にその身を投じていく様が描かれていく。

小一郎に至っては、いまだに「現場」に度肝を抜かれたり、怖気づいたりの連続だが、それでももう人生の舵は切られてしまった以上、引き返すわけにいかない。口から先に生まれたような調子のよい兄の陰となり日向となり、少しずつ覚悟を決めていく様が描かれていて、思わず一緒にハラハラドキドキ……と物語も盛り上がってきた。

第5回「嘘から出た実」

永禄5(1562)年、桶狭間の戦いで、今川義元(大鶴義丹)に劇的な勝利を収めた織田信長は、目指す尾張一統に向けて、その背後を盤石にすべく、のちの徳川家康こと松平元康(もとやす/松下洸平)と同盟を結んだ。先の桶狭間の戦いで今川側についていた元康だが、独立して三河・岡崎城へ戻っていたのだ。

【豊臣兄弟!】「信じよう」とする豊臣兄弟(仲野太賀、池松壮亮)と「信じまい」とする織田信長(小栗旬)の対比がおもしろい!(画像2)

松平元康(松下洸平)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第5回より ©️NHK

幼少期を人質として過ごした末に、今のような地位についた元康からその秘訣を引き出したいと思った藤吉郎は、信長から元康を国境まで見送るように命じられた道すがら、ほかの供の者を出し抜いた隙に、直接それを尋ねる。すると元康は、いとも簡単に快くこう答えるのだった。
「たやすいことよ。信長殿を信じることじゃ。そして誰にもできぬことをやってのけるのじゃ。恐れずに己を信じて突き進むのじゃ。大事なのはここじゃ(胸を叩く)。熱意が人を動かし勝敗を決する」

すっかり感激した藤吉郎は、興奮の面持ちで答え、元康の後ろ姿を見送る。
「わしの思うていたとおりじゃ。ありがとうございまする。以後、肝に銘じまする!」
そして、隣の小一郎にも「喜べ小一郎、これで大名も夢じゃないぞ」と語りかけるのだが、小一郎は何か腑に落ちないという様子で、眉をしかめるのだった。

案の定、兄弟と別れた元康は、馬に揺られながら、家臣の石川数正(かずまさ/迫田孝也)と冷酷に笑い合って、吐き捨てるようにこう言うのだった。
「すべて逆のことを言うてやったわ。織田の下侍に、なんでわしの考えを教えねばならぬ」

野心と勢いで突っ走る藤吉郎は、時に冷静な判断力を失うことがある。その時に助けになっていくのが、小一郎の「勘」なのだろう。オープニングの映像では、たびたび小一郎の目や耳がアップになるが、それは、その耳が藤吉郎が聞こえない音を拾い、その目が藤吉郎が見過ごしたものを見逃さない、ということなのかと個人的には思うのだが、どうだろうか。

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藤吉郎(池松壮亮)、小一郎(仲野太賀)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第5回より ©️NHK

翌年、信長は居城を清須城から小牧山城に移した。藤吉郎と小一郎は、信長の側近部隊である馬廻衆(うままわりしゅう)に出世し、かつてのボロボロの小屋から、それなりの屋敷に住むようになった……らしいことが、いきなりの家族集まっての食事風景でそれとわかる。

そこには、中村から呼び寄せた(であろう)母のなか(坂井真紀)、姉のとも(宮澤エマ)、妹のあさひ(倉沢杏菜)、ともの夫・弥助(やすけ/上川周作)、あさひの夫・甚助(じんすけ/前原瑞樹)もいて、家の様子や着物などからも、皆の暮らしが楽になったことが見てとれる。

あまりにここは説明がないので、あれれと思いつつ、その間のことは想像するしかないのだが、兄弟の出世がそれなりに順調であることが窺える大事な場面でもある。それにしても大家族! 合間、合間に挟まれる家族とのほのぼのシーンだが、秀吉はこうした家族に支えられて出世していったのだなと、そして、それが、元からの武士とは大きく異なるところなのだなと改めて感じるところでもある。

【豊臣兄弟!】「信じよう」とする豊臣兄弟(仲野太賀、池松壮亮)と「信じまい」とする織田信長(小栗旬)の対比がおもしろい!(画像4)

弥助(上川周作)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」 ©️NHK

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甚助(前原瑞樹)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」 ©️NHK

藤吉郎は、以前から思いを寄せている浅野長勝(ながかつ/宮川一朗太)の娘・寧々(ねね/浜辺美波)に気持ちを伝えたいと思い、ますます出世への願望が募っていた。そのために信長に対してあれやこれやと先回りした気遣いをしようとするも、ことごとく前田利家(としいえ/大東駿介)に先を越されてしまう。

そんな中、信長の前で武芸を競う御前大試合が行われることになる。小一郎は、兄を何とか勝たせたく、対戦相手の組み合わせに細工をするが、最終戦で利家と当たった藤吉郎は、あっけなく負けてしまう。その試合を見た信長が、兄弟の小細工に気づいていたと知って二人は慌てるが、予想に反して、信長はその知略を買い、兄弟にその「策」を用いて鵜沼(うぬま)城を調略することを命じる。

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御前大試合/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第5回より ©️NHK

しかし、城主の大沢次郎左衛門(松尾諭)は、あの美濃の大名・斎藤道三(麿赤兒)の後ろ盾で今の地位に上り詰めた、猛将の呼び声の高い人物である。これまでにもとりつくしまもなく、何人もが追い返されてきたという。だが、これをやり遂げたら侍大将にすると信長に約束された藤吉郎と小一郎は、後には退けない。小一郎は秘策を練り、弥助と甚助を使い、斎藤家の本拠地である美濃・稲葉山城下で「次郎左衛門と織田が通じている」という噂を流すことにした。

その噂を聞きつけた現在の美濃城主で道三の孫である斎藤龍興(たつおき/濱田龍臣)は、次郎左衛門を呼びつけ、潔白を証明したければ、人質として妻の篠(しの/映美くらら)を稲葉山城に連れてこいと命じる。その日、鵜沼城に戻った次郎左衛門のもとを、信長の書状を携えた藤吉郎と小一郎が訪ねてくる。何度も追い返されてきた二人だが、初めて二人に目通りを許す。

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大沢次郎左衛門(松尾諭)、篠(映美くらら)/大河ドラマ「豊臣兄弟!」第5回より ©️NHK

最初は信長に寝返る気などないと突っぱねていた次郎左衛門だが、「一度かかった疑いを晴らすのは並大抵のことではない。それならいっそ本当のことにしてしまうのはどうでござるか」と小一郎が言えば、「嘘から出た実ということもありまする。もしやこれは、天が示した道なのではございませぬか」と阿吽の呼吸で藤吉郎が続けるのを受けて、心が揺れる。

そこへ、次郎左衛門の家臣が「噂を流した張本人が見つかりました」といって、弥助を捕らえて現れる。すべてが小一郎たちの策だと知った次郎左衛門は激怒。刀を抜きかけると、そこへ小一郎をかばうように藤吉郎が進み出る。
「お待ちくだされ! 責めはこの私が負いまする!」

藤吉郎、たまには潔い、堂々とかっこいいところも見せてくれるじゃないかと思ったのもつかの間、「やっぱり嫌じゃ。わしも死にとうない! わしはこの大仕事をやり遂げて、侍大将になるのじゃ。侍大将になって、寧々殿と祝言を挙げるのじゃ。夫婦になってずっと守っていくと決めたのじゃ!」

藤吉郎の熱意に押された次郎左衛門は刀を納める。「さっさと失せよ」という言葉に、「わしは行かぬ。お主らは先に帰れ。わしは信長様と約束したのじゃ。必ずや大沢殿を説得し、お味方につけると。このまま帰るわけには参りません」と藤吉郎は訴える。
「わしのような者を信じてこのお役目を与えてくださった信長様のご期待を裏切るわけにはいかぬのじゃ」

藤吉郎の必死の訴えに次郎左衛門の表情も変わる。そして、藤吉郎は人質として鵜沼城に残ることを選び、小一郎は次郎左衛門を小牧山城に連れていく。

ところが、城に着いてみると、次郎左衛門の従者の荷に「苦無(くない)」という小さな刃物の武器が見つかり、しかも切っ先には毒が塗ってあったと告げられてしまう。「身に覚えはない」と断言する次郎左衛門の言葉に信長は聞く耳を持たず、「始末せよ」と家臣に命じるのだった。

【豊臣兄弟!】「信じよう」とする豊臣兄弟(仲野太賀、池松壮亮)と「信じまい」とする織田信長(小栗旬)の対比がおもしろい!(画像8)

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第5回より ©️NHK

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