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「僕の存在を通して、世界を狭く感じてほしい」ニコラス・エドワーズさんが日米をつないで届けたいもの【ターニングポイント#3】

17歳で来日し、「歌手になる」という夢を追い続けてきたニコラス・エドワーズさん。30代になった今、音楽だけでなく、YouTube「MrFuji from Japan」や報道番組「news23」など、活動の幅を広げています。その根底にあるのは、国や文化の違いを越えて、人と人との距離を近づけたいという思い。そんなニコラスさんが「世界を狭く感じてほしい」と語る理由に迫りました。(3記事中3記事目)

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>>「自分の“身の程”を知らせてくれる人がいなかった」ニコラス・エドワーズさんが日本で見失ったもの、取り戻したもの【ターニングポイント#2】

お話を伺ったのは
ニコラス・エドワーズさん 歌手

Nicholas Edwards●1992年、アメリカ・オレゴン州生まれ。高校時代に日本語と出合い、J-POPや日本のドラマに魅了され、17歳で単身来日。外国人が日本の歌を歌う番組「のどじまんTHEワールド!」に長く出演し、最多優勝記録を持つ。2013年にメジャーデビュー。高い歌唱力と表現力で多くのファンを魅了している歌手活動のみならず、日本語能力試験1級を持つ流ちょうな日本語と日本文化への深い理解にも定評がある。最近は人気YouTubeチャンネル「MrFuji from Japan」への出演でも注目を集めている。

YouTubeでの出会いが広げた、日米の架け橋という夢

コロナ禍が自分自身を知り直す機会となり、意欲的に活動をしていたニコラスさん。半年ほど前、人気YouTubeチャンネル「MrFuji from Japan」を運営するフジさんと出会った。

「フジさんは、日本人なのにアメリカ人的なところがあって、直感型の人。違うと思ったらストレートに言うタイプ。逆に僕は、どう言うのがいいのか慎重に考えるタイプなので、フジさんに『京都の人みたい』なんて言われているんです」

一例として収録中のエピソードを教えてくれた。

「その日の収録現場が僕には暑く感じたんですが、ゲストの方がいたので、もし僕が『冷房の温度を下げてください』と言って、その方が暑いと感じていなかったら申し訳ない。だから『しゃべると脇汗かきますよね〜』とか言って、察してくれないかなって思ったんです。たぶんフジさんなら『温度下げてください』と言って、相手が寒かったら『私は寒いんですけど』と言えばいいと考えていると思います」

多くの人がイメージするであろう日米の国民性とは逆の2人に思えるが、「一周回って相性がいい」と感じているそう。報告だけの予定だった打ち合わせも、話が盛り上がって2、3時間に及ぶこともあるとか。

「世の中の情勢とか、いろんなことを話して『これは動画になるかな』とか。着眼点も攻め方も逆だからこそ面白いし、勉強にもなります。これまで仕事でフジさんのような人とあまり関わったことがなかったので、今すごく楽しいです」

その出会いは「必然だったと思う」と目を輝かせる。20代後半に自身のYouTube「ニックちゃんねる」を始めて、そこで日米の文化比較などを発信していた。

いつしか日米の架け橋となるようなことをしたいと思うようになり、2028年にアメリカ・ロサンゼルスで開催される夏季オリンピックに携わりたいと大きな目標ができたタイミングでフジさんと出会い、自身の発信がこれまでと違う層に届くようになった。

「アメリカという国はどうしても星条旗を振りかざしているようなイメージが強いのではないかと思います。再来年のオリンピックを機に、そういうアメリカではなく、もっと親しみを持ってもらえるような紹介の仕方を開拓できたらいいなと考えています」

「アメリカ人らしくない僕だからこそ」報道番組で感じた時代と価値観の変化

30代になり、周囲の目を気にして自分が何者か分からなくなっていた頃とは、物事の捉え方も変わった。自分だからこそできることは何なのか。それを考えられるようになった今、新たに舞い込んできたのが報道番組のコメンテーターという仕事だった。

8月11日から「news23」(TBS系)のゲストコメンテーターとして不定期出演する。話をもらった時は嬉しい反面、「僕は何を求められてる?」と戸惑ったという。

「僕は雰囲気もしゃべり方も、日本人が思い描くアメリカ人らしいアメリカ人ではないんですね。番組スタッフの方との打ち合わせで、『アメリカで育ち、日本で長く生活しているニコラスさんが今見るアメリカ、という観点がほしい』と言ってくださって。それなら、これまでにないコメントもできるんじゃないかなと思いました。以前だったらテレビ番組でこういう枠はなかったと思うので、世の中の価値観が変わったように思います」

これまでメディアでは、「アメリカ人らしいアメリカ人」という分かりやすいキャラクターが求められることが多かった。ニコラスさんのように、日本人がイメージする「アメリカ人らしさ」とは少し違う視点を持つ人に、新たな役割が求められたことに、本人も時代の変化を感じている。

形は変わっても、届けたいものは変わらない

活動の幅は広がっているが、「根本にある思いは変わらない」と話す。

「僕の存在を通して、世界を狭く感じてほしいと思っています。国や人種などが違っても、人として大事だと思っていることって同じだと思っていて。先の収録現場の話で、仮にみんなが冷房の温度を下げてほしかったとして、その方法はそれぞれ個人の性格だったり国民性だったり、ディテールが違っても、伝えようとしていること、そして周りの人と仲良く楽しくやりたいという思いは一緒なんですよね」

“世界を狭く感じてほしい”という思いは、具体的な活動の一つひとつにもつながっている。

「僕に触れてくれたみなさんの人生を豊かにできたら…と言うとおこがましいですが、家族で食卓を囲む時の話題になるでももちろんいいですし、1つでも“何か”を提供できたら嬉しいなと思っています。音楽、YouTube、報道番組と、それぞれの形でやる意味はあると思っているので、うまくできるように頑張りたいと思います」


17歳で「日本で歌いたい」と海を渡った少年は、30代になった今、歌だけではなく、言葉での発信を通して日米の距離を縮めようとしていた。経験を重ねてきたからこそ見えるもの、伝えられること。国や文化の違いを越えて、世界を少し身近に感じてもらうことが、ニコラスさんが目指す未来なのかもしれない。

撮影/島田香  取材・文/四戸咲子


【ニコラス・エドワーズさんの出演情報】

・8/4(火)~BSCラジオPresents「Music&Culture Lab.」パーソナリティ
・8/11(火)~「news23」不定期出演
・9/20(日)「Anything Allright Festival Vol.136」ゲスト出演
・10/4(日)「SOUND IN THE CIRCLE 2026」スペシャルゲストライブ出演
・12/12(土)クリスマスライブ決定


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