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褒められなくてもいい?人の目に疲れたとき、宮本信子さんにかけられた一言【一田憲子さん】

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一田憲子

私たちは日々誰かの目にさらされながら生きています。「認められたい」「褒められたい」——そんな思いに知らず知らずに縛られてはいないでしょうか。エッセイスト・一田憲子(いちだのりこ)さんが、自身の葛藤や気づきをもとに、自分軸で生きるヒントを綴った新刊『褒められなくても、生きられるようになりましょう』が話題です。一部抜粋してお届けする第1回は、「褒められたい自分」に苦しくなったときの気づきについて。

褒められないと、なぜ苦しいの?

『褒められなくても、生きられるようになりましょう』

こんなタイトルの本を書こうと思ったのは、私が「褒められること」が大好きだからです。逆に言えば、褒められなくちゃつまらない、と思っているということ。

けれど、この呪縛に囚(とら)われていると、生きることがとてもつらいのです。

どんなに頑張っても、褒められるとは限りません。自分が「いい」と思っていても、ほかの人が「いい」と言ってくれるとは限りません。つまり「褒められる」か否かは、自分のコントロールの外にあるということ。自分の力が及ばないところにあるものを「なんとかしよう!」とすればするほど、「外」と「内」の力がすれ違って、どんどん自分を消耗してしまいます。

「人にどう思われるか」に神経をすり減らし、誰かの顔色ばかり見て一喜一憂していた20〜30代のころ、よくベッドの中で泣いていたなあと思い出します。

「あの人にあんなこと言われた……」と、ひとつひとつの出来事に傷つき、感情がジェットコースターのように揺れていたなあ〜。

でも、どうしてそんなに苦しいのか、その理由がわかったのはずいぶんあとになってからでした。30代になって、フリーランスで働くようになると、「私は私」と、のびのびと好きなように生きている人に出会いました。え? なにかが私と違う……。

あるとき、俳優の宮本信子さんにインタビューをさせていただく機会がありました。夫の伊丹十三氏とともに、自分が信じる道を歩き続けてこられたエピソードをお聞きし、最後に「どうしたら、人の目を気にしないで生きられるようになるんでしょうか?」と聞いてみました。すると……。「あなた、ずっと優等生で生きてきたんじゃない?」と宮本さん。「失敗したっていいじゃない。失敗したってあなたの価値は変わらないのよ」。その一言に不覚にも涙がぽろりとこぼれました。そっか。私は優等生でいたかったんだ……。

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