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「褒められないのに、なぜ60年も続いた?」専業主婦の母が教えてくれた“自分で花丸”の習慣【一田憲子さん】

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一田憲子

私たちは日々誰かの目にさらされながら生きています。「認められたい」「褒められたい」——そんな思いに知らず知らずに縛られてはいないでしょうか。エッセイスト・一田憲子(いちだのりこ)さんが、自身の葛藤や気づきをもとに、自分軸で生きるヒントを綴った新刊『褒められなくても、生きられるようになりましょう』が話題です。一部抜粋してお届けする第4回は、小さく心が満たされる日々について。

▼前回はコチラ▼

>>「イヤだと思ったら、やめてもいい」NHK夜ドラ「ひらやすみ」で衝撃を受けて考えたこととは?【一田憲子さん】

新しい砂糖をまずポットに入れてから

ここ数年、年末年始は実家で1週間ほどを過ごしています。出張帰りに泊まりに立ち寄るのとは違い、朝から晩まで一緒に過ごしていると、父や母の「暮らし」が見えてきます。父は93歳、母は83歳。なんとかふたりで生活しているけれど、できないこと、手元、足元がおぼつかないことが増えてきました。

あるときキッチンで、母がシュガーポットに新しい砂糖を注ぎ足そうとしていました。「いいよ、いいよ、私がやっておくよ」とグラニュー糖の袋を手に取ると、「ちょっと待って!」と母。ティッシュを出してきて、シュガーポットの底に少し残っていた砂糖をその上に出します。それから「はい、お願い」と差し出しました。つまり、新しい砂糖をまずポットに入れてから、その上に古い砂糖がくるように、ひと手間かけるというわけ。そんな丁寧さに、「そこまでしなくても」という言葉がのどまで出かかるけれど、実家ではおとなしく母のやり方に従うようにしています。

そのほかにも、母には頑固なまでに守り抜くマイルールがたくさんあります。一日の終わりにキッチンのシンクまわりやガス台まわりをふきんで拭いたついでに、冷蔵庫の扉や野菜室の手をかけるところなどをチャッチャと拭いておくこともそう。たったこれだけのことですが、実家の冷蔵庫はいつもピカピカ。我が家のいつのものかわからない汚れがこびりついている冷蔵庫とは大違いです。

寝る前には、部屋中の観葉植物にシュッシュッと霧吹きで水を吹きかけます。するとポトスやパキラなどの葉がいつもピンと張って元気で、ツヤツヤ。

こんなふうに細やかに部屋を整え続ける姿勢には頭が下がります。短大を卒業後、就職はせずすぐに結婚、そこからずっと専業主婦だった母。「私は主婦のプロになる」が口癖で、毎日クルクルと動き回ります。数年前に背骨が右側に曲がる側弯症を患ってから、杖をつき、思うように動けなくなったけれど、それでも私よりずっとこまめに家事をこなしています。

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