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不倫に寛容な時代”があった⁉︎「4人ではなく、事実は5人であります」で拍手された政治家とは【池上彰が解説】

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池上彰

「法律で裁けなければ、何をしても許されるのか?」そんな疑問を抱かせるニュースが増えています。政治とカネの問題やAIによるフェイクニュースなど、法の網をすり抜ける現実に、私たちはどう向き合うべきなのでしょうか。池上彰氏の最新刊『法で裁けない正義の行方』(主婦の友社刊)から、一部を抜粋してお届けします。第3回は、日本の“不倫事情”今昔について。

不倫した有名人への過度なバッシング

最近は芸能人の不倫報道などがあると、ネット上で過剰なまでにバッシングが起きるようになりました。けれど、不倫は現在、刑事上の犯罪ではありません。

明治時代に始まった旧刑法には「姦通罪」があり、既婚女性が不貞行為をした場合は、その既婚女性と相手の男性が6カ月以上2年以下の懲役を受けました。その一方で既婚男性が不貞行為をした場合には罰せられないという、男女不平等な内容だったのです。姦通罪は、戦後の1947年に廃止されました。

正式に結婚しているのに別の女性とも結婚をする「重婚」は、現在も民法で禁止されている犯罪ですが、既婚の人が配偶者以外と性的関係を持つこと自体は、倫理観は問われるけれども犯罪ではありません。さらに言えば、それは当事者同士の問題です。

不倫された側が、配偶者やその不倫相手に、精神的苦痛を味わったことに対しての責任を民事裁判で訴えて慰謝料を請求することは可能です。これは不貞行為が、民法709条の「不法行為」に該当するとされているからです。

昨今、不倫報道をされた芸能人は、コマーシャルに出ていれば降板となり、映画に出ていれば公開日が延期になり、テレビドラマに出ていれば出演シーンをカットされ、その後のドラマや映画のキャスティングもされなくなるなどと、社会的制裁を受けています。これほどの制裁を受けながら、見ず知らずの人々から多くの誹謗中傷もされてしまう、これは果たして「正義」なのでしょうか。「自分の正義」を振りかざす人たちによる、行き過ぎた行動ではないでしょうか。

不倫ドラマや不倫小説、楽曲などは、定期的にヒットしています。ドラマ「金曜日の妻たちへⅢ・恋におちて」やその主題歌「恋におちて-Fall in Love-」(歌:小林明子)、ドラマと主題歌が同タイトルである「ポケベルが鳴らなくて」(歌:国武万里)、渡辺淳一の小説が大ヒットし映画化・ドラマ化された「失楽園」、ドラマタイトルが2014年新語・流行語大賞の候補にもなったドラマ「昼顔」などは、大きな話題になりました。

いつの世もこれほど不倫ドラマがヒットするのは、みんな心のどこかに、不倫に対する憧れがあるからではないでしょうか。憧れがあるけれど、倫理的にはやってはいけないからやらない。それなのに有名人がやっている。すると内心で羨(うらや)ましいと思いつつ「許しがたい」という感情が湧いてきて、過度なバッシングをしてしまう、というわけです。

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