朝ドラ『風、薫る』生田絵梨花、視線を引きつける透明感と存在感はさすがだ
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田幸和歌子
〝ロッテンマイヤー先生〟の登場
生徒だけでなく、冒頭に入学生に向け挨拶した梶原校長もまた、厳しそうでありながらもどこか〝抜け〟のあるような空気も漂う、明らかに癖強な存在だ。校長を演じる伊勢志摩といえば、『あまちゃん』(13年前期)の花巻さんの役どころが、フレディ・マーキュリーの扮装をしていたこととともに強いインパクトを今なお残す。『虎翼』での婦人代議士のリーダー格もまた印象的だ。それだけに、確実にこの先ドラマの名スパイスのような活躍を見せ、二人の主人公たちをトレインドナースへと導く存在となっていくことが間違いない。
そして、日本への到着が遅れ、入学式には不在だった教師のバーンズ(エマ・ハワード)が、金曜日放送の第25話のラストででついに登場した。
ナイチンゲールに直接指導を受けたというバーンズ先生は、たばねた金髪で毅然とした空気を漂わせ、登場するなりりんたちを「しゃんとしなさい」と叱責しながら登場する姿は、どこか『アルプスの少女ハイジ』のクララの家の執事でハイジを厳しくしつけた〝ロッテンマイヤー先生〟、または『花子とアン』(14年前期)で、はな(花子/吉高由里子)たちを厳しく指導したブラックバーン校長を彷彿させる雰囲気もあり、SNSなどでもそう指摘する声も多くあがるなど、わずか10秒ほどの登場にもかかわらずこの週の大きな話題となった。
直美の顔を見ては時折天啓めいた暗示を告げる謎の占い師・真風(研ナオコ)が直美に告げた「もうすぐお嬢さんのところに、そうだねえ、天の使いのような人が現れるよ」という謎めいた言葉そのままに、先生がアップになるカットに「天の使い、降臨」という真風の声がかぶせられた。バーンズ先生がまさにそういう存在であるということだ。
この〝ロッテンマイヤー先生〟の登場が、ギスギスとぶつかり合う新入生たちにどう作用していくか、楽しみである。このバーンズ先生ばかりでなく、偶然出会ったにも関わらず、上京したものの頼る者が無くなったりんを優しく見守る「あしながおじさん」のような存在の実業家・卯三郎(坂東彌十郎)や、鹿鳴館の華で二人をトレインドナースの道へと導きその後も相談役になる捨松(多部未華子)の凛とした雰囲気など、『風、薫る』は朝ドラのある種の定番的流れを持ちながら、どこかかつての児童文学やアニメの『名作劇場』的な雰囲気も本作には漂っているような気もする。
余談ではあるが、前述したブラックバーン校長が登場する『花子のアン』は、それこそ『赤毛のアン』を翻訳した村岡花子の半生をもとにした作品である。
生徒たちだけでなく、フレディ所長とメガネの無いロッテンマイヤー先生など教師も「集ってきた」感があり、いよいよ次週は養成所編が本格的にスタートしそうな雰囲気だ。それぞれの誇りや思い、夢は、養成所での教育でどう実を結んでいくのか、そして同級生たちの関係性もどう変化をもたらせていくのか。
占い師・真風は、直美にこう言っていた。
「天女の吹かせる風に吹き飛ばされないよう、みんなで力を合わせてがんばるんだよ」
トレインドナースを目指す同級生たちが、どう吹き飛ばされないように力を合わせていくのか、楽しみな展開である。
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